来週の事を言えば鬼が笑う

シリア情勢の先を見据えた憶測ほど当てにならないものはないと思います。これまでいろいろと報道されてきた中で、投げっぱなしのまま回収されることのない報道が多数あるように感じます。それだけシリアの先行きは見通せないほどカオス化しているということです。

http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/middleeast/syria/10265765/Navy-ready-to-launch-first-strike-on-Syria.html

おお!って記事です。アメリカと共に英国がシリアに向けて巡航ミサイルを発射するための用意がある。既に巡航ミサイルの着弾候補地をリストアップするという最終局面にまで達しているそうです。政府筋の話によれば、英首相とオバマ大統領も含めた他国の指導者との協議は続けられており、早ければ来週中には何かしらの軍事行動に打って出るという算段が整えられつつある。

ウイリアム・ヘイグ英外相は今回のダマスカスでの化学兵器使用に関して怒り心頭で、シリアの国民に向けて化学兵器の使用を許したアサド政権には耐えられないと述べています。アサド政権が犯した残虐な行為は、「Red Line」を超えた。我々は超えてはならない一線を越えてしまったアサド政権に対して何かしらの対応を見せ付ける必要がある。2年半に渡って血が流れ続けているシリアの内戦に関して、国際社会は何ヶ月も熟慮しては各国との相違に悩まされてきましたが、どうやら英国が本腰を入れたようです。

彼の怒りの原点は「化学兵器の使用がアサド政権によって引き起こされた」ことが発端となっています。アサド政権は国連の調査団の受け入れに消極的でしたが、国際社会の批判を受けて、昨日、現地への調査団の派遣を了承しました。しかし、ヘイグ氏は「攻撃が行われてから4日も経過したじゃないか!遅すぎる!」と青筋を立てています。化学兵器使用以降も同地域への攻撃は続いており、これが証拠を隠滅する恐れがあると英政府高官は懸念しています。

英政府筋として、国連の調査団が現場を訪れても、我々を説得する必要がある。仮に政府軍が化学兵器を使用していなかった場合があるとすれば。なぜなら我々は全ての点において、今回の惨劇は政府軍が首謀者であると確信しているからであると強気の姿勢を崩していません。

キャメロン英首相は休日を割いて、オバマ米大統領、オランド仏大統領、メルケル独首相との議論の末に、軍事介入を議題に持ち込むことで同意を得ました。ただし、決定事項ではありません。現段階では「on the table」というわけです。既にキャメロン首相はロシアのアサド擁護の姿勢を含めた国連からの提案には期待を示していません。しかし、キャメロン首相を取り巻く閣僚からの軍事介入への反対意見も出ていることは事実です。英国軍がシリアに干渉するには距離的にも広範すぎるのではないかと。それでも軍事介入に踏み切るとなれば、今週中には行動に移せる用意があるようです。

リビアと同様に、まずは巡航ミサイルがシリアへの軍事介入の幕開けになるかもです。

http://www.theguardian.com/world/2013/aug/24/syria-cameron-obama-intervention?CMP=twt_gu

こちらも同様の記事です。キャメロン首相とオバマ大統領は先日に起きた化学兵器による攻撃を”serious response”に値する惨劇であると述べています。”serious response”とは何を意味するのか、軍事介入に他なりません。両指導者は化学兵器の首謀者がアサド政権側にあることで同意しています。市民が多大な犠牲を払っているシリアの内戦を収束するためには全ての選択肢を念頭に置くべきだと主張しています。

フランスのファビウス外相は我々が持ち合わせている全ての情報から化学兵器はアサド政権によって使用されたと語り、イギリスのヘイグ外相も前述したように政府側によって使用されたと明言しています。オバマ大統領は長期化する内戦への直接的な関与には消極的な姿勢を示していますが、「Red Line」を超えた際には断固とした措置を取るとの発言から後には引けない状況に陥っています。口は禍のもと。政治家は気をつけなければ。特に一国の元首となればなおさらです。化学兵器による殺戮が発生した直後、アメリカ海軍は地中海でのミサイル駆逐艦の増強に踏み切っています。

国連の調査団とは別に化学兵器による犠牲者から採取された証拠品は国境を越えてヨルダンに持ち込まれ、既に西側陣営の手に渡っているようです。その他にも反体制派と連携を取り、化学兵器が搭載されていたとされるミサイルの残骸の写真の提供も求めています。

ロシアとイランは今回の化学兵器使用に関して、透明性と信頼できる調査を求めています。両国は化学兵器使用は反体制派によるものだと欧米と真っ向から対立しています。シリアの国営テレビ「SANA」は反体制派の支配地域の塹壕に化学物質が貯蔵されていたと報じています。レバノンのヒズボラからの声明は今のところ出ていません。沈黙を守っています。

今週、来週とシリア情勢は目まぐるしく動くことは間違いなし、、、かな。単なる威嚇になるのか。実際に行動に移すのか。障壁となるロシアとイランはどのような対応を見せるのか。そしてシリアのアサド政権は・・・はあ、やっぱり考えるのはやめた方がいいですね。今回の化学兵器による攻撃、まさに青天の霹靂です。何が起こるか分からないのがシリア。記事を鵜呑みにしてばかりいられない。でも僕が日本を出るのは、まだまだずーと先のことだから、しばらくは記事の拾い読みが続きそうです。