Maher al-Assadとその仲間たち

http://www.theguardian.com/world/2013/aug/24/assad-brother-syria

「Did Assad’s ruthless brother mastermind alleged Syria gas attack?」

1年以上、彼は姿を消したままである。しかし、バッシャールが公の場に姿を現している一方で、マーヒルは彼の影となって存在感を残しつつある。マーヒルはシリアが内戦に突入して以降、多くの局面で重要な役割を果たしてきた。ダマスカス郊外から中央へと侵食しつつある反体制派勢力を水際で食い止めているのが彼が率いる獰猛な部隊、陸軍第4機甲師団である。先週に発生した化学兵器使用による大虐殺。果たしてこの残虐非道な行為にマーヒルは関与しているのだろうか。

警察組織を束ね、バース党中央委員会に席を置く彼は、破壊と反乱が止まない現状に至っても、決して無視できない存在感を強固に維持したままである。反体制派が政府軍の支配地域を奪取している中で、陸軍第4機甲師団は政府を代表する重要な支柱として内戦に深く関与してきた。マーヒルは2000人の部隊長のトップとして、また共和国防衛隊をも率いる軍の指導者として君臨している。ダマスカスが戦火に包まれて以降の郊外への総攻撃は陸軍第4機甲師団と共和国防衛隊が担っている。

東グータ地区でも激しい攻撃が連日連夜と続き、化学兵器の使用による住民の大量虐殺もこれらの総攻撃の一環と見る向きもある。政府側は頑なに化学兵器による攻撃を否定してきた。

軍からの離反兵に頭を悩ましている各々の師団長とは異なり、陸軍第4機甲師団からの脱走兵や離反兵の数は圧倒的に少ない。2011年3月、革命の端緒となったダラー県をマーヒル率いる陸軍第4機甲師団が包囲した。この部隊に徴集され、現在はイスタンブールに逃れている元兵士が当時の様子を語った。マーヒルは兵士を前に言う。

「一週間でこの地を落とす。銃を所持している者に対しては発砲をするな。なぜなら、彼らは同胞に違いないから。発砲してもよいのは銃を持っていない人間だけだ。やつらはテロリストだからだ」。さらにマーヘルは「心臓と頭部を狙え」と指示した。もし空に向けての威嚇射撃や無差別に発砲するような者がいたらその場で殺されているか、暴行を受けていただろう。元兵士はそう語る。

ヨルダンにザッターリ難民キャンプがある。ダラー県からは僅か9キロほどしか離れていない。ここで暮らす避難民はマーヘルについて心の底から怒りを滲ませる。マーヘルを「悪魔だ」と避難を余儀なくされたダラー県の住民は罵る。マーヘルは政権に楯突く者全てを殲滅しようとした。それが彼の趣向であり、快楽ですらあった。バッシャールはマーヘルの操り人形にすぎない。避難民はそう語る。

マーヘルが最後に公の場で姿を現したのは、閣僚数名が命を落としたダマスカスでの大規模な爆破テロ(2012年7月18日)が起きる数週間前だった。この場にマーヘルもいたのでは?負傷したのでは?という噂は絶えない。昨年の9月に離反した大統領府の広報官だったAbdullah Omar氏はマーヘルの無残な姿を目撃したと語る。大統領府を訪れた彼は手足を失っていたように見えた。この証言が事実かどうかは疑わしいが、トルコの高官からの話では、彼はテロにより負傷はしたものの、健在であり、現在もアサド政権の下で機能しているという。陸軍第4機甲師団は相変わらず他の師団と比べて圧倒的な戦闘力を維持している。マーヘルを押さえ込むことはバッシャールでも難しい。仮に化学兵器の使用が政府側による仕業であったのなら、マーヘルの関与は濃厚であることが推測される。

http://www.thenational.ae/news/world/middle-east/chemical-attack-spurs-finger-pointing-inside-assad-regime

化学兵器が使用されたことは事実だが、誰が使用したのかについては明らかにされていない。幾人かの軍の高官は今回の惨事から距離を置こうとしている。彼らは決して発射されたミサイルに有毒な物質が搭載されていたことを語ろうとしない。体制派と反体制派の双方にコネクションを持つ人物が軍関係者から話を聞いたところ、発射されたミサイルは数時間前に我々の手元に届けられたと語った。彼らはミサイルに何が積まれているのか知らなかったし、ミサイルを搬送している兵士ですらその事実を知らされていなかった。ちなみにこのミサイルは防衛省ではなく、空軍情報部が管理していた。空軍情報部のトップはHafez Maklouf氏。バッシャールの従兄弟である。

Syrian National Coalition(SNC)によれば、化学兵器を搭載したミサイルはTahir Hamid Khalil司令官に届けられ、陸軍第4機甲師団が管轄する155旅団の基地から発射されたと報告されている。陸軍第4機甲師団といえば、前述したマーヘルをトップに頂く先鋭部隊である。火曜日の夜から東グータ地域で激しい戦闘が行われ、政府軍が劣勢に立たされていた。日付が変わり夜中の2時半、16発のミサイルが東グータ地域の各所に着弾した。さらに2時間後の4時半に、18発のミサイルが今度はマーダミーヤ地区一帯に着弾した。ミサイルを主導した共和国防衛隊は兵士に対して事前にガスマスクの着用を促していた。SMCからの報告。

以上です。ちなみに、マーヘルは末っ子です。長男がバセル、次男がバッシャール、三男がマジド。長男と三男は既に他界しており、バッシャールがハーフェズの後を継ぎ、大統領に就任しました。化学兵器使用への関与を抜きにしても、陸軍第4機甲師団の悪行は目に余るものがあります。僕の知識に誤りがなければ、メッゼ軍事空港に隣接するダーリーヤ地区とマーダミーヤ地区を灰燼と化したのは陸軍第4機甲師団の仕業です。この両地区で自由シリア軍を抜きにしても、どれほどの一般市民が無残に殺されたか。諸外国はその事実を見て見ぬ振りをしてきました。

国連の調査団の現地視察に前向きな姿勢を示しつつあるアサド政権。それに対する憶測、疑念、思惑、様々な見解が国内外から噴出していますが、待つべしでしょう。単なる時間稼ぎに終わるか、新たな進展が見られるか。ただ今のシリアを見る限り、どのような手立てを講じたとしても、後退はあっても、前進は望めない気がします。