Mapping Syria’s rebellion

http://www.nytimes.com/2013/07/18/world/middleeast/momentum-shifts-in-syria-bolstering-assads-position.html?pagewanted=1&_r=4&ref=global-home

シリアの「今」が綺麗にまとめられている記事です。アサド政権が反体制派の領土を徐々に侵食していること。それに対抗するべき武器の援助が欧米諸国から得られないことへの自由シリア軍(FSA)の苛立ち。FSAが存在することで空爆や砲弾の嵐に見舞われ徹底的に破壊される町と市民のFSAへの憤懣、憤怒。一致団結して政府軍に対抗すべき反体制派勢力の内部での分裂。外国人勢力の存在。それに比べて政府側はロシア、イラン、レバノンのヒズボラの支援の下で、クサイルを陥落させ、窮地に立たされた首都ダマスカスに多少の安堵感をもたらした。この記事には触れられていないけど、エジプトの政変にもアサド政権にとっては追い風になっている。左団扇で余裕かましてるのかなあ。アサドさんは。

ただ政府軍の執拗な攻撃により、シリアの貴重な歴史的建造物がことごとく破壊されています。地球の歩き方に掲載されている観光名所で無傷な建物って現時点ではほとんどないんじゃないかなあと思います。ただ政府側に全ての責任があるわけでもありません。反体制派も世界遺産に指定されているような重要文化財を根城にしていたり、攻撃の拠点として身構えているので、攻撃されるのは当然です。また先日、ダマスカス近郊のシーア派の聖廟サイイダ・ザイナブも反体制派からの攻撃を受けたようです。直撃は免れましたが、一部タイルや壁面に損傷が見られるようです。また聖廟の管理者が今回の攻撃で命を落としています。

http://tehrantimes.com/politics/109443-iran-condemns-terrorist-attack-on-shrine-of-hazrat-zeinab

アルジャジーラでとても興味深い記事?を見かけました。このデータがどこまで正確なのかは疑問なんですが、僕がこれまで見てきた中で、これほど精密にシリアの反体制派勢力を図式化、数値化した内容のシステムは初めてです。

http://www.aljazeera.com/indepth/interactive/2013/07/20137188552345899.html

例えば、アレッポをクリックすると、39000人ほどの戦闘員がいますが、100以上のグループに細分化されています。タウヒード旅団が最も強大ですが、8000人ほど。その他も多くの組織がSupreme Military Council(SMC)に組み込まれていますが、ただ10000人ほどはヌスラ戦線やISISなどの外国人勢力が占めています。イドリブなんかもアレッポに匹敵する複雑さを有しています。ただやはりダマスカスからダラーにかけては外国勢力の浸透率が低く、地元民で構成された部隊が大半を占めています。僕の経験だと去年に訪れたダマスカス郊外のドゥーマ。ここは地元民の結束力が半端ない。彼らは自らの「ドゥーマニー」、シリア人であると同時にドゥーマ人としての誇りを強く打ち出していました。その彼らの姿勢に僕は心を打たれました。

Political Forcesの箇所も簡潔に説明されていて分かりやすいです。

Syrian National Coalition(SNC) 2012年11月、カタールの首都ドーハで結成された包括的な反体制派勢力。海外からの支援や交渉等々はSNCが主に受け持ち、2013年3月にはアラブ連盟に正式なシリアの代表者として認められた。ただし、内部での対立はしょっちゅうで、一枚岩とはとても言えない。前身がSyrian National Council。

Kurdish Supreme Committee(KSC) こちらはシリアで暮らすクルド人の勢力。2012年7月に、Kurdish Democratic Union Party(PYD)とKurdish National Council(KNC)、両者によって設立された。彼らを指揮するのが、イラクのクルド人自治区の大統領マスウード・バルザーニー(Massoud Barzani)であり、その彼のスポンサーの下で2011年10月にイラクで結成されたのが、Kurdish National Councilとなる。

その他にもムスリム同胞団やNational Coordination Committee(NCC)なんかもありますが、ちょっと僕も改めてこういった組織があるんだあー参考になるなあー初耳だなーなんて程度の知識なんで、興味ある方は直接ページに飛んでください。

それでこのアルジャジーラのページにコメント欄が設けられているんですが、これを読むと面白いです。体制派と反体制派がアツイ議論を交わしています。アルジャジーラやBBC、CNNはCIAの手先だとか、欧米のプロパガンダにお前はまんまと乗せられているとか、自由シリア軍はただシリアを破壊しているだけだ、あいつらはアルカイダと同類だ、そんなアサド派に対して、いやアルカイダの方がアサドよりましさ、アサドは10万人もシリア人を殺している、そんなやり取りが続いています。夫婦喧嘩は犬も食わない。そう思いたいけど、彼らは本気だから、言葉の応酬で終始するネットはまだいいけど、シリアでは地上で弾丸が飛び交っているからなあ。