一枚岩が築けない反政府勢力-追加-

https://now.mmedia.me/lb/en/nowsyrialatestnews/israel-launched-strikes-near-key-syria-port-report-says

こんなニュースもあります。イスラエルがシリアの港湾都市ラタキアで対艦ミサイル「ヤーホント」を空爆。数日前に報道されていましたが、真偽のほどは定かではなく、今回CNNがアメリカ高官からの話により確証を得られたということです。ただし、イスラエルは報道を否定しています。

それで昨日の続きになります。追加で3つの記事から引用させていただきます。

http://www.nytimes.com/2013/07/13/world/middleeast/syrian-rebel-infighting-undermines-anti-assad-effort.html?smid=tw-share&_r=1

この記事によると、Abu Bassir(Kamal Hamami)はラマダンの食事を友人に届ける最中にIslamic State of Iraq and Al Sham(ISIS)の検問所で停止を命じられた。そしてISISの司令官であるAbu Aymanに射殺された。動機としてはFSAとISISとの意見の対立がある。彼が殺害される前にもイドリブでISISがFSAのメンバーを2人、斬首刑にしている。胴体から切り離されたFSAの頭部はゴミ箱に捨てられていたという。

両者が仲違いする要因は、イスラムへの見解の食い違いから生じている。穏健か強硬か。どれだけ厳格にイスラムの規律を遵守するべきかで揉めている。特に外国人勢力が根を張るラッカ県はFSAや活動家がISIS、その他の外国人部隊に誘拐されるという事件が多発している。女性と共にデモに参加した、軍とは別に治安部隊を設立しようとした、また動機が不明瞭なまま拘束された。また外国人勢力が海外からの支援を収奪しているケースも見受けられる。今、ラッカでは市民がデモを繰り広げている。「ISISは出て行け!お前たちはアサドと同じだ!」。しかし、残念ながら、自由シリア軍には政府軍と外国勢力を同時に相手に出来るほどの余力はない。市民の不満は日を追うごとに高まっている。

http://www.guardian.co.uk/world/2013/jul/12/free-syrian-army-officer-killed

ガーディアンだと、Abu Bassirは殺害された後に「his body mutilated」と記されている。つまり切断されたんだと。また「he was lured to a planning meeting」と書かれていることから、両者の会談自体がISISの罠だった可能性も否定できない。これが事実なら、FSA側の怒りを相当なモノであると察せられる。

去年の7月中旬頃から外国人勢力がシリア北部に展開し始めた。当初は彼らの評判は決して悪くはなかった。命を惜しまない勇猛果敢な戦闘スタイルで政府軍の陣地を片っ端から奪取し、武器を捕獲した。しかし、支配勢力を伸ばす外国人部隊とFSAとの間で規律を巡る様々な相違や欠点が浮かび上がってきた。ヌスラ戦線やISISはFSAの干渉を避けることで、独自の支配形態を確立するようになる。

「彼ら(外国人勢力)はシリア人には受け入れられないだろう。Anbarと同じ結果を招くことになるだろう」。イラクに位置するAnbar州では2006年に地元民の反感を受けたアルカイダが撤退している。「我々は部外者が敷いたよこしまなイスラムの形態などは受け入れられない」とアレッポのFSAの司令官は批判している。

しかし、シリアで政府軍から支配権を奪った多くの地域で、FSAと外国人部隊は共闘している。問題はその後の互いの利害の食い違いである。ヌスラ戦線のメンバーがガーディアンのインタビューでこう述べている。「我々はイラクで米軍とスンニ派の部族民と戦闘を繰り広げてきた。そこから学んだこともある。Anbarでの出来事がその一つだ。厳格なシャリーア(イスラム法)を地元民に強制したことで我々は信頼を失ったのだ」。しかし、シリアで再び彼らは同じ轍を踏もうとしている。

http://www.washingtonpost.com/world/middle_east/al-qaeda-gunmen-kill-syrian-rebel-leader/2013/07/12/09c28710-eb04-11e2-818e-aa29e855f3ab_story.html?hpid=z2

自由シリア軍が外国人勢力と比べて劣勢に立たされているのには明確な理由がある。欧米からの武器の供与を待ち望むFSAを余所に、外国人勢力はアラブ諸国からの豊富な財源と武器の提供を受けているからである。そのため今のままではFSAは外国人部隊に頼る以外に政府軍と立ち向かう術がない。両者の亀裂が深まろうとも。しかし、今回の一件で、FSAは別の戦略に出た。外国人勢力を敵対視することで、欧米からの援助を引き出そうとする策略である。しかし、これは推測であり、FSAが今回の殺害に憎悪をたぎらせているのは事実である。

またFSAと外国人勢力との不調和ばかりが強調されているが、今回の事件は外国人勢力の内部にも大きな不安材料を与えている。主犯格のISISはかつてヌスラ戦線との統合を目指したが、ヌスラ戦線側からすげなく断られている。その際、ヌスラ戦線はアルカイダの首領ザワヒリへの忠誠を誓う一方で、ISISとは手を握ることはないと述べている。修復不可能なまでに関係が悪化したISISとFSA。ヌスラ戦線が今後、両者の関係をどのようにして引き継ぐのか。

一つのテーマを長々と書いて読者にとっては退屈だろうと思います。でも同じ事件でも各紙によって書いている内容にも多少の違いがあったり、それぞれが独自に取材したネタを記事に盛り込むことで読者を飽きさせません。それに比べると、日本のメディアのシリア報道は退屈すぎる。チェックしてないから日本がどのようにシリアのニュースを伝えているかも実はよく分からないんだけど。