今後のシリアの行方

シリア情勢を眺めていると、中東がどれほど複雑な地域なのかを痛感させられます。もちろんこれまで訪れた紛争地にも複雑な要素は絡み合っています。宗教、領土、民族、貧富、互いの利害関係も含めて、決して譲歩することができない部分が火種となって、紛争へと発展しています。シリアもそれは変わりませんが、規模がでかすぎて、ついていけない僕がいます。そもそも中東に関心を寄せたのも、シリア取材以降なんで、まだ1年足らずだし。ということで、中東専門家の方々にはこのブログは幼稚だったり、事実関係と異なっていたり、鼻で笑われる部分もあるとは思いますが、誤りがないようにあくまで主観は出来る限り控えて、海外の記事の引用を中心に更新していくように心掛けています。あとシリアに無関心な方に少しでも興味を抱いてもらえればと願っています。

バニアスの虐殺に関してですが、今も大量にTWを通して画像が流れてきています。僕も「takeshisakuragi」というアカウント?でTWをしています。よろしくお願いします。ただこれとは別にフォロー専用で使っているのがあります。そちらでシリアの情報を拾っています。大半が市民記者からの呟きですが、バニアスでの光景は筆舌尽くし難い。女性、子供、幼児に至るまで無差別に命を奪われています。ただし、第三者から見た客観的な報道が皆無です(僕が調べている限りですが)。今回の虐殺がどのような経緯で発生したのか。死者数は。殺戮の目的は。これらは一応、形だけの報道はされていますが、アラウィとスンニとの対立が先鋭化している事例としての詳細な検証が全くされていない。もちろん外部から遮断されている地域なので、何ともならないのは分かりますが、化学兵器云々で時間を割くより、こちらの検証を進めるべきだと考えます。化学兵器に関しては、「反体制派が使用した可能性がある」と国連が報告したため、益々、とっちらかってしまいました。埒が明かないから、もう調査なんか止めちまえと僕は思うんですが。

メディアの関心事はイスラエルの空爆に注がれています。昨日、ブログで大雑把ですが、イスラエルが空爆を断行した理由は書きました。死者数は50人から300人ほどと報じられていますが、まったく当てになりません。いくつかの報道を見ても、推測ばかりの記事が目立ちます。現場に記者を派遣して検証することは困難なので、主に各国の政府関係者からのコメントを引用しています。イスラエル、シリア、イラン、アメリカ。そしてヒズボラや反体制派のSNCなどの組織。今後のシリア情勢について悲観的な観測も書かれていますが、どうなるのか具体的な予測は立てられないのが現状です。既にシリアの国土が代理戦争の様相を呈していますが、イスラエルの空爆で底なし沼の如く水深をまったく測れなくなったのは事実だろうと思います。なので、結局、記事を読んでも、今後のシリア情勢がどうなるのか、僕にもまったく分かりませんでした。今日見た参考サイトは、掲載してもあまり意味がないので、やめておきます。

一つだけ分かったことは、イスラエルの「RedLine」です。アメリカの「RedLine」が化学兵器の使用であるとオバマが明言したにもかかわらず、曖昧な姿勢のまま時間だけが経過しているのに対して、イスラエルは明確、明快です。「ヒズボラへの武器支援」と「ヒズボラを含めたイスラエルを敵視している勢力に化学兵器が渡ること」がイスラエルが判断する「RedLine」であるということです。後者はイスラエルの懸念材料なので、そういった事態に陥る前に何かしらの行動を起こすでしょう。まだ他にあるかと思いますが、僕が理解しているのはこの二つだけです。イスラエルは今回の空爆が最後ではないと述べています。イスラエルのシリアへの関与はアメリカを出し抜いて独断でこれからも行われるだろうことは確実です。