首都ダマスカスを空爆

バニアスでの虐殺に関する記事を探そうとしても、目新しいものが見つからない。先ほど確認したバニアスでの新たな映像には大量の遺体と共に政府軍が村内を闊歩していました。撮影者は政府軍の兵士だと思われます。まだまだ殺戮は続いていると想像していますが、昨日のイスラエルの空爆が全てを吹き飛ばしました。カシオン山の軍事施設をイスラエルが空爆し、火薬類に引火したのか、巨大な火の玉がダマスカスの夜空を真っ赤に照らし出しました。

http://www.youtube.com/watch?v=f_j8ID-m1pU&feature=youtu.be

シリアの真下に位置するイスラエルは革命当初から沈黙を守り続けていた。無関心でいられるはずもなく、黙って静観していたのだろう。しかし、シリアのアサド政権とレバノンのヒズボラとの連携が、長期化する内戦の中で、徐々に緊密性を帯び、中東の目の上のタン瘤、イスラエルを突き動かした。

イスラエルがシリアを空爆するのは今回が初めてではない。2001年7月、レバノン領内のシリアのレーダー施設、2003年5月にダマスカス郊外のパレスチナ武装勢力の訓練キャンプ、2007年9月に同じくダマスカス郊外のシリアの核関連施設、2011年11月、2013年3月、ゴラン高原のシリア領内、そして2013年1月に対空砲火器を積み込んだ輸送車を爆撃。対空砲火器の引き受け先はレバノンのヒズボラとされ、空爆された場所はJAMRAYA、今回空爆された地区でもある。

http://english.alarabiya.net/en/News/middle-east/2013/05/05/A-decade-s-history-of-Israeli-attacks-on-Syria.html

イスラエルは、シリアへの内戦の関与には消去的な姿勢を示してきた。しかし、国家(イスラエル)への危害が及ぶと想定される事態が発生すれば、容赦なく断罪を下すとも述べている。窮地に立たされたアサド政権に手を差し伸べているのが、ヒズボラとイランである。イランとヒズボラの敵対国はイスラエルであり、互いに同一宗派であることから、睦まじき関係にある。イランは長距離ミサイルをシリアを経由してヒズボラに手渡そうとしたところ、イスラエルの逆鱗に触れた。2013年1月と今回の空爆の経緯はそこにある。

2013年4月30日、ヒズボラの急進的指導者で議長を務めるハサン・ナスラッラーが公式にシリアへの内戦の関与を認めた。イスラエルから命を狙われている彼が公の場でテレビ画面に登場するのは非常に稀なことである。彼は力強い口調でこう述べている。「”friends of Syria” will not allow the fall of President Bashar al-Assad」。アサド政権が追い詰められている現況に救いの手を差し伸べる頼もしい仲間の言葉の裏には武器供与の事実が裏付けられている。

http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5gBP_xhoLSuD73mb-Mj9h_066R-2w?docId=CNG.3c3efff38b2117e2f293d9ebb9fd7a64.221

今回、空爆の標的にされたのはダマスカス郊外の3箇所。Jamraya、QaisonMountain、WadiBarada。軍の施設が密集している地域である。「空爆された施設にはFateh-110が貯蔵されていた」。欧州の諜報員がロイターに語った。ファテフ110はイランの国産ミサイルで射程200キロ程度の短距離弾道ミサイルである。それがヒズボラの手に落ちる前にイスラエルは専守防衛に走った。しかし、現場への立ち入りは制限され、死傷者の数や建物の被害状況などは一切分かっていない。

http://www.reuters.com/article/2013/05/05/us-syria-crisis-blasts-idUSBRE94400020130505

SNC(シリア国民評議会)の反応は冷ややかである。最近起きたバニアスでの虐殺に触れ、「イスラエルが空爆することで虐殺の事件から注意をそらそうとしている」と非難している。自由軍の広報官も「アサド政権によって、そしてイスラエルによって、我々の土地(シリア)は爆撃にさらされている」と不満をのぞかせた。反体制派はイスラエルに限らず他国からの直接的な軍事介入には革命当初から消極的な姿勢を見せている。飛行禁止区域の承認や武器弾薬の供与を彼らは望んでいる。ホワイトハウスは「ヒズボラへの武器供給を絶つための正当な行為である」とイスラエルへの理解を示した。ちなみに米国はヒズボラを「テロ組織」として指定している。

http://bigstory.ap.org/article/look-reasons-israeli-airstrikes-syria

http://www.reuters.com/article/2013/05/05/us-syria-crisis-blasts-idUSBRE94400020130505

https://now.mmedia.me/lb/en/nowsyrialatestnews/syrian-rebel-coalition-condemns-israel-strikes

ということです。。。複雑すぎる。内戦が長期化するにつれて、魑魅魍魎、有象無象の集団が次から次へと沸いて出てくる。登場人物一覧を作成した方が賢明だわ。シリアの周辺国を見れば、まだまだ新キャラが現れる可能性が大。垂れ流されてくる情報を目で追うより、現場で震えながらも生の声を拾って記事にする方が断然気が楽だと感じる。