停戦後の東グータの行方

アラビア語に触れない生活を10カ月ほどしていました。たまに現地のシリア人と会話をする際と週1回のアラビア語の授業を除いて。でも2週間ほど前から勉強を再開しました。特に理由はないのですが、時間を持て余していたので。なので、ブログは停滞してしまうかもしれません。ただシリアのニュースは毎日のように流れてきます。一時的な停戦が結ばれましたが、早速停戦違反の空爆が各所で行われているようです。

https://now.mmedia.me/lb/en/NewsReports/566674-regime-warns-residents-of-besieged-damascus-suburbs

停戦後、ダマスカス郊外の反体制派地域(東グータ)にアサド政権が上空からビラを撒きました。

“It is far better for you to choose the path of safety and peace than the path of war and destruction,”
(戦争と破壊の道より安全で平和な道を選択する方があなたにとって最良だ)

Those who voluntarily give up their arms will be regularized and none of them will be prosecuted.”
(自ら望んで武器を捨てた者は法の下で守られ、誰も起訴はされないだろう)

実際にビラに書かれた文字はアラビア語です。それを英訳したものが上記になります。果たしてこのビラはどの程度効果があるのでしょうか。その他にも「流血を止め、外国人勢力を追い出せ」、「退避するための安全な道を提供する」などと書かれていました。

ドゥーマにもビラが大量に散布されましたが、活動家のAbo Anasはビラを拾い上げる笑顔の子供たちの写真と共にツイッターでこう呟いています。「こんなメッセージを読んだところで彼ら(ドゥーマの住民)の心は揺るがない。回収したビラは燃やしたさ」。ただこのビラには別の意味もあります。つまり、このメッセージに同調しない者にはさらなる攻撃が加えられるという脅し文句も含まれています。

ドゥーマを含めた東グータ地域は2011年の3月以降、アサド政権に対するデモを継続してきました。2013年8月21日には化学兵器が使用され、1300人以上が亡くなっています。さらに現在は周囲をアサド政権が固めて、食料、医薬品、燃料等々の物資の搬入を阻止しています。数えきれないほどのミサイル、樽爆弾が投下され、多くの一般市民が殺害されています。そんな地域をビラ一枚で陥落させることはできません。さらに一言加えるなら、この文言に信憑性がまったくないということです。罠だと疑うのが当然です。

停戦はある程度の効果はもたらすのでしょうか。これが直接、シリア内戦の解決に繋がるとは思えませんが、東グータや西グータのマーダミーヤ地区に救援物資が搬入されたニュースを見かけました。この停戦で一人でも二人でも命が救われれば、今のシリアでは大きな一歩でしょう。なぜなら、人の命が紙くずのように散っているシリアで、停戦により人の命に多少の価値が出たのですから。