飢えに苦しむ人々ー追加ー

国境なき医師団からの声明です。

http://www.msf.org/article/syria-siege-and-starvation-madaya-immediate-medical-evacuations-and-medical-resupply

レバノンとの国境近くのマダーヤは2015年7月以降、アサド政権、ヒズボラによって包囲され、10月18日の食料配給を最後に、物資の供給が遮断されました。約2万人の人々が餓死の危険性があり、12月1日以降、国境なき医師団が支援している病院で23人の患者が命を落としました。

今回、アサド政権はマダーヤへの包囲網を一時的に解き、物資の搬送が許されるそうです。その際、まずは医薬品の搬入と病人の安全な場所への移送を優先させるべきだと国境なき医師団は述べています。23人の死者の内訳は、1歳以下の乳幼児が6人、60歳以上の高齢者が5人、その他の12人が5歳から16歳までの子供です。18人が男性で、5人が女性です。医薬品は底を尽き、栄養失調の子供たちに与えられるのは、糖分を含んだ医薬品のシロップくらいです。

マダーヤは巨大な監獄です。2万人の老若男女が閉じ込められています。逃げようとして政府側から撃たれたり、地雷を踏んだりした負傷者も報告されています。僅かな食べ物を求めて住民が奪い合っています。さらに寒さが多くの人々を苦しめています。食料や医療品、燃料の搬入を早急に行う必要があります。

http://www.nytimes.com/2016/01/08/world/middleeast/madaya-syria-starvation.html

こちらはNYTimesです。マダーヤの映像も掲載されています。マダーヤでの飢餓状態が深刻であることが各メディアや活動家から盛んに報道されるようになり、アサド政権は昨日の木曜日、救援物資の搬入を許可する判断を行いました。国連によれば。しかし、実際に包囲網が解かれるのはいつなのかは明言されていません。42000人の人々がマダーヤには取り残されています。

マダーヤは孤立した反体制派の支配地域です。その反体制派のリーダーは国際社会の無関心さに憤りを募らせ、「国際社会も住民の餓死を手助けする共犯者」と批判しています。マダーヤの解決はシリア内戦収束のカギにもなります。それは先日、ザバダーニとイドリブのシーア派の村々との停戦が実現し、仮にマダーヤでの包囲網が解かれれば、「停戦」が一つの解決策として実現可能であると証明できるからです。

ヒズボラ側は「マダーヤでは反体制派武装勢力が住民を『人間の盾』として利用している。飢餓を大々的に報じることで、食料の搬入を可能にして、それを備蓄しようとしている」と主張しています。レバノンとの国境が近いことから、レバノンに難民として逃れればいいじゃないか。そんなヒズボラ支持者の発言も見られます。ただ包囲されているため逃げるにも逃げられない状態であるので、この主張は的外れです。

マダーヤ包囲網の解放はまだまだ先行き不透明です。そして、マダーヤに限らず、飢えに苦しむ地域はシリアにはいくつも点在しています。それを一つ一つ解決していくとなると気が遠くなるような時間と命が失われていきます。