ジャーナリストの素質-シリアを取材するということ-

余談です。

僕は詳しくジャーナリズムについて学んでいるわけではありません。大学はマスコミ系の学部でしたが、授業は必須科目以外は受講せず、それ以外は他学部、他学科(単位取得が容易な講義)ばかりに出席していました。なぜなら、僕の学部があまりにも退屈だったからです。

僕は決して頭が良いわけではありません。むしろ悪い方です。でもジャーナリストは頭脳明晰で状況判断に優れた人間が携わる職業です。にもかかわらず、僕がジャーナリストと名乗っていられるのは、唯一、行動力があるからだと思います。

取材力、文章力、洞察力、その他にジャーナリストに必要だと思われる能力が僕には不足しています。大学卒業後、そのままフリーとして歩んできた僕には誰も見習うべき先輩がいませんでした。だから、一人で闇雲に取材という形を模した活動を続けてきました。

飛躍しますが、シリアの取材は行動力が強みです。時々、「シリアへの入国の仕方」についての相談を受けますが、マニュアルは一切ありません。状況(勢力図)は絶えず変化します。現地に行かなければ、何も分かりません。だから、僕自身も「どうすればシリアに入国できるのか」の適切な判断は下せません。

「言うは易し行うは難し」です。「シリアに行く」と言うのは簡単です。しかし、どのようなルートで身の安全を確保して取材を行うのか。下手なフィクサーに頼れば、売り飛ばされて人質となるか、もしくは国境で警備兵に銃撃されるか、拘束されるか、ボコボコにされるか、最悪、シリアに入国する前に命を落とすでしょう。

僕がシリアで最低限の安全を確保しつつ、無事に取材できるルートとして提案できるとすれば、圧倒的に従軍だと思います。良質のフィクサーも敬遠している昨今のシリア情勢、金を積んでも日和見的なシリア情勢に対処しきれない側面があります。しかし、従軍であれば、どの組織に属するかにも寄りますが、現地の状況への適切な判断も可能です。顔も利きます。前回の僕の取材がそうでした。

行動力。これが今のシリアでは必要だと思います。安易に他人に頼るのではなく、自分で行動すればいいんじゃないかと思います。現地に飛んで、必至で情報を集めて、本音は分からないけれども、「こいつなら大丈夫」という直観を信じて、入国を試みる。それで仮に最悪の結果になったとして、自らが納得できれば、全てを受け入れることも可能でしょう。それが出来ないのであれば、シリアの取材は諦めた方がいいと思います。

シリアがこれだけメディアの注目を集めれば、取材価値も右肩上がりでしょう。僕は当分はシリアでの取材は控えますが、他の方々には頑張ってもらいたいです。もちろん、最低限の知識を踏まえて、本気でシリアを想っている方々に対して。応援しています。

余談でした。生意気なこと言って、申し訳ないです。ただ、安易な考えでシリアの取材を試みるような言動がいくつか見られたので、ちょっと物申してみました。意外とシリアの取材って難しいっすよ!行動してみれば分かると思います。