民衆蜂起から内戦へ-難民の現状と課題-

ムジャヒディーン軍の死者は僕の知り合い2名を含めて、計17名。その他の別の組織にも多数の死者が出ました。今回の衝突は規模が大きなもので、ロイターでも記事になっていました。

http://www.reuters.com/article/2015/02/19/us-mideast-crisis-syria-aleppo-idUSKBN0LM0PW20150219

場所はアレッポ。少なくとも政府軍70名、反体制派勢力80名が死亡しました。アレッポからトルコに至るルートを政府軍が攻めこむことで衝突が起きました。道路は遮断され、別ルートを模索する反体制派と政府軍がさらに衝突、現在も戦闘は続き、死者の数は双方共に増える模様です。

http://www.asahi.com/articles/DA3S11607027.html

http://www.asahi.com/articles/DA3S11609002.html

朝日新聞の春日芳晃記者のアレッポのルポです。アサド政権側からの取材になります。シリアのビザが取得できるのは大手メディアの特権です。正直、うらやましいです。フリーはアサド政権からのビザ取得はほぼ不可能なので、自然と反体制派側からの取材になります。政権側の市民生活を垣間見れる記事は必読です。

http://www.theguardian.com/global-development-professionals-network/2015/feb/16/situation-syria-is-going-to-get-worse-melissa-fleming-united-nations

国連高等難民弁務官事務所の職員であるMelissa Fleming氏がガーディアンに寄稿しています。民衆蜂起から始まり内戦に陥ったシリアが5年目の春を迎えようとしています。常に彼女は希望を持ってシリア情勢を見つめてきましたが、その希望を維持することも困難な状況が今のシリアには横たわっています。その理由は何か。10項目に分けて説明しています。簡単に紹介できたらと思います。

1 シリアの人道的惨事を解決する最終手段は戦争を終わらせることにあります。しかし、現状からそれはまだ当分先のことのように思えます。これまで政治的な解決を模索してきましたが、シリアの内戦は流動的で鎮火する気配がありません。我々、国際社会に出来ることは、被害を受けているシリア人の悲しみ受け止め、彼らを保護すべき積みあがる資金を確保することだけです。しかし、今日では誰もそれらに対処することが出来ていません。

2 シリア国内には1200万人の人々が支援を必要としています。本来の人口の二分の一に匹敵する数です。800万人が家を追われ、キャンプや廃屋で暮らしています。480万人が支援の届かない地域での生活を余儀なくされています。数百万人の子供がトラウマと病気を抱え、国内の4分の1の学校と2分の1の病院が破壊されました。そして絶えず降り注ぐ砲撃や爆弾、イスラム過激派による残忍な行為に耐え忍んでいます。

3 周辺諸国もシリアからの難民への規制を強化しています。トルコ、ヨルダン、イラクは難民の入国に際して厳しい制限を設けています。最近では難民の数は減少傾向になります。なぜなら入国審査が厳重だからです。

4 難民として周辺諸国に逃れても、彼らへの風当たりは厳しいです。難民への暖かい支援や居住先の提供は既に過去のものとなりました。レバノンでは人口の25パーセントがシリアとパレスティナからの難民で占められています。彼らは低賃金で働き、レバノン人から職を奪っています。そう思うレバノン国民は難民に憎しみを抱きます。難民施設の拡充が急務ですが、その際に必要な額も不足しています。

5 ヨーロッパでの難民受け入れも行われていますが、パリでのテロの影響もあり、西側諸国のイスラム教徒への偏見も増加傾向にあります。国境で追い返されるケースも報告されています。シリアに隣接する諸国では難民の10パーセントが暴行や虐待の被害を受けており、それに対処するため西側諸国への難民の受け入れを求めていますが、聞く耳を持たないのが現状です。

6 規制が厳しいために、ヨーロッパに密入国しようとする難民が後を絶ちません。彼らは命を賭けて地中海を渡ろうとします。その数は去年だけで22万人。定員オーバーだったり、老朽化したボートを使用するので、海に投げ出されたり、沈没して溺れる難民は少なくありません。

7 難民の生活も厳しいのが現状です。日々の糧を得るために、物乞いや児童労働、女性は売春婦として働いているケースもあります。2014年末までで難民の支援に必要な額は54パーセントで留まっています。

8 230万人の子供たちがシリア国内では学校に通えていません。難民となると、その数はさらに増えるでしょう。レバノン、ヨルダン、トルコでも20パーセントの子供たちが学校に通ていない状況です。その代わりに強制労働や強制結婚、さらに戦闘員として勧誘されるケースもあります。

9 15万人の未亡人が難民となって国外に逃れています。彼女は軽蔑され、女性ということで仕事を見つけることも困難です。交通機関や公共施設でセクハラをされることも珍しくありません。夫を戦争で亡くした彼女たちへの態度を社会が改めなければ、難民として暮らす女性の苦痛はさらに高まるでしょう。

10 未亡人や数千人の子供たちは国籍を否定され、市民権のない生活を非難され、国民であれば享受できる数々のサービス(仕事、教育、医療)を与えられていません。シリアの法律では夫のいない女性に子供が生まれても、その国籍を子供に引き継ぐことができません。約10万人の子供が国籍を持てないと推定されています。

後半に近づくにつれて、集中力が途切れて、書く内容も大ざっぱになってしまいました。申し訳ないです。どの戦争にも難民の問題は付いて回ります。難民を取材するだけでも、切り口は様々です。また国によって待遇も異なります。実際に難民問題に携わっている彼女の言葉に重みを感じました。