ドゥーマでの虐殺-追加-

昨日、前回の取材でお世話になったムジャヒディーン軍の友人が2人、殉教しました。ムジャヒディーン軍との生活は僅か一か月、そのうち実際に従軍して前線に出掛けたのは2週間足らずです。たったの2週間ですが、死と隣り合わせの中で過ごす彼らとの生活は非常に中身が濃いものでした。特に僕は銃声の音を聞くだけで、ビクッと身体を揺らすほどの臆病者で、そんな僕のことをからかいながらも「俺たちが一緒にいるから大丈夫だ」と彼らは励ましてくれました。今も必死でアサド政府軍と戦火を交えています。

ドゥーマでの虐殺を書き記しました。日本の報道で今回のドゥーマでの市民への激しい空爆を報道してくれたメディアは皆無でしょう。なんて思っていたら、AFP、まあフランスの通信社ですが、一応、日本語でニュースになっていました。こちらになります。

http://www.afpbb.com/articles/-/3039860?ctm_campaign=photo_topics

ヨルダン人のパイロットがイスラム国によって焼殺されたニュースは世界を震撼させました。ヨルダンも報復攻撃をただちに行い、世界の関心はイスラム国に釘づけになりました。現在もそれは変わりません。しかし、繰り返しになりますが、イスラム国の影に隠れて、虐殺されている人々がいるという事実を知ってもらいたい。それは被害者となっているドゥーマで暮らす市民は当事者であることから痛切に感じていることだと思います。

http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/middleeast/syria/11416686/Syria-rebels-photograph-children-in-cage-as-stunt-to-compare-Assad-atrocities-with-Isil.html

テレグラフにはさらに詳しく紹介されています。鉄の檻の中にはオレンジ色の服を着た子供たちが肩を寄せ合っています。彼らが掲げるメッセージはイスラム国の残虐性について語っているものでありません。アサド政府軍の暴虐に対する抗議の声です。

「私たちはヨルダン人のパイロットが焼き殺されるのをあなた方のメディアで見ました。しかし、私たちはドゥーマの人々が焼き殺されるのをあなた方のメディアでは見ていません」

シリア人権監視団の報告によれば、10日間続いたドゥーマへの容赦のない空爆で180人の命が奪われました。その中で55人が女性と子供です。国際社会の関心事はイスラム国に向けられています。欧米人、さらに日本人を処刑し、数百人のシリア人、イラク人を虐殺し、数千人のヤジディ教徒の女性を奴隷として連れ去り、メディアを通して彼らの脅威を誇らしげに全世界へと植え付ける。イスラム国のメディア戦術はまさに無視できない存在となっています。

しかし、アメリカが率いる有志連合がイスラム国の討伐に乗り出し、彼らを排除することに躍起になったところで、ドゥーマで暮らす市民の生活は改善しません。ドゥーマに限らず、ダマスカス周辺に散らばる反体制派地域にはミサイル、樽爆弾が投下され、物資の搬入を遮断され、飢えと寒さで苦しんでいる多くの一般市民がいます。この記事では詳しく触れられていませんが、ダマスカスの中心地の目と鼻の先のヤルムーク地区は一時期、メディアで大きく報じられましたが、今でも物資の搬入が途絶えて、飢えている市民がいます。また西グータ地域に位置するマーダミーヤ地区やダーリーヤ地区はドゥーマと状況は変わりません。

僕のアパートにはテレビがないので、イスラム国の報道がどのようにして伝えられているのか定かではありません。ただこれまで親や親戚以外から心配されることがなかった僕ですが、今回の人質事件以降、何かと周りから心配されます。遅いっす!って感じです。これまでシリアの取材で何度死にかけたか。でも結局は人質事件が起こる前は、シリアの情勢を伝えるメディアはほとんどなかったということでしょう。山本美香さんが亡くなったことで、一時期話題になっても、しばらくすれば視聴者の興味も減退し、メディアはシリアの話題には見向きもしなくなる。だから、フリーの僕が・・・とは思いましたが、シリア行はないです。だから、せめてブログだけでもと頑張って最近は更新を続けています。よろしくお願いします。