取材への道筋-ゼロからの出発-

現在、トルコのイスタンブールに滞在しています。黒海を挟んだ対岸のウクライナは今年に入り急速に事態が悪化しています。メディアの報道も日々更新されており、現地からのレポートも熱を帯びています。それに比べて、トルコと900キロに渡り国境を接するシリアの情勢は現地からの報道は激減し、国家そのものが変容して魑魅魍魎、多種多様な勢力が跳梁跋扈しています。

http://www.reuters.com/article/2014/04/20/us-syria-crisis-france-idUSBREA3J04320140420

10か月に渡りシリアに閉じ込められていたフランス人記者4人が金曜日の夜にトルコとの国境沿いの町に移送され、解放されました。実行犯はイスラム国と報道されていますが、解放された動機については曖昧模糊としたままです。フランスのファビウス外相は身代金の支払いはなかったと述べていますが、どこまでが本当なのかは分かりません。誘拐ビジネスがシリアに根を張りつつあることは間違いないでしょう。

1年前はシリアの北部アレッポに多くのメディアが駆けつけていました。僕が滞在していたメディアセンターにも常に入れ替わりで国籍多様の10名ほどが常駐していました。しかし、今はアレッポに外国メディアがいるという情報は僕の知る限りではありません。つまり入国が非常に困難ということです。国境は全て閉鎖され、密かに入国しても、奇怪な武装勢力に拘束されたり、誘拐されたり、最悪殺害されかねません。それでも行く!ということはそれなりの覚悟が必要になります。

誰もいなければ、もちろん報道する価値があります。まさに危険を冒して特ダネをゲットすれば、それなりの評価は得られます。腕の見せ所でしょう。イスタンブールでシリアから撤退した自由シリア軍と話をしました。「今は危険すぎる」と忠告を受けました。僕は前述したようにシリアには入るつもりはありません。取材ルートも一切なく、これから何をするかも、できるかも分かりません。まさにゼロ地点です。

イスタンブール。とても素晴らしい都市です。町並みも綺麗だし、食べ物は美味しいし、人も温かくてホッコリします。明日からイスタンブールを離れます。