化学兵器使用か。

https://www.youtube.com/watch?v=COU_mm4Ogu4

この映像がツイッターを通して流れてきました。4月3日、ジョーバル地区で化学兵器により負傷した市民なのか武装勢力なのか定かではありませんが、その様子を撮影した映像です。ジョーバル地区はダマスカス郊外というより近郊です。

http://english.alarabiya.net/en/News/middle-east/2014/04/04/Assad-s-forces-accused-of-new-poison-gas-attack.html

気になって記事はないかと思い、行き着いたのがまずはアル=アラビーヤからの報道でした。ロイターによれば、今回の事件が発生する前にアサド政権は国連に事前にこのような通達を行っていました。「ジョーバル地区で反体制派が有毒なガスを用いた攻撃を計画している」。テロリストとの会話を政府軍が傍受し、反体制派の支配地ではガスマスクが配布されているというものです。 http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/middleeast/syria/10743536/Syrian-opposition-accuses-Assad-of-new-poison-attack.html

テレグラフにも同様の記事が掲載されていました。発信元はロイターです。反体制派の活動家は使用者はアサド政権だと非難しています。被害者が反体制派の人間であれば、その可能性は大でしょう。自作自演という疑念はごく僅かですが残されますが。そうなると、3月25日に国連へ通達したアサド政権の文言は、アリバイ工作と考えるのが妥当なのか。とにかく情報が少なく断定はできません。ただし、去年の夏のサリン使用の化学兵器と比べて、患者の様態は安定しているとのことです。

化学兵器廃棄計画の話題は僕はスルーしていました。なぜなら時系列で追いかけても達成する見込みがないからです。どうやら本来であれば、2月5日にシリアに貯蓄されている化学物質1300トンあまりを国外に搬出するはずでしたが、履行できず、4月末までと延期されたようです。まあ・・・これも無理でしょう。

http://www.haaretz.com/news/diplomacy-defense/.premium-1.584319

イスラエルの新聞ハアレツです。これまでロイターからの報道が唯一の手がかりでしたが、こちらは違います。イスラエル国防相の高官の発言を引用しています。ただし、この記事は、今回のジョーバル地区での化学兵器とは別のケースを報じています。

反体制派からの報告によれば、過去2週間で2度の化学兵器による攻撃が行われました。一度目は3月27日です。場所はダマスカス郊外に位置するハラスター地区(ドゥーマ地区の隣)。2度目も同様にハラスター地区。イスラエルの国防省は化学兵器が使われた証拠を保持していると伝えています。

イスラエルの国防大臣モーシェ・ヤアロンによれば、アサド政権は化学兵器を製造する装置、化学兵器を搭載できる武器、ほぼ全てを破壊していると判断しており、西側と合意した化学物質の60パーセントが国外に搬出されたと述べています。

「ここ数週間でシリアから化学物質が搬出される行程が急速に進んだ。ラタキア港で積み込んだオランダとノルウェーの船舶はアメリカ側に手渡され、処理されるだろう」

その他の内容としては、ここ1か月に発生した2件のゴラン高原でのイスラエル兵を標的にした攻撃について言及しています。ヒズボラが関与していることに警戒感を募らせ、仮にヒズボラに化学物質や高性能の武器がシリアを通して渡ることになれば、その前に叩く用意があることを伝えています。

ハアレツの記事からはイスラエルはアサド政権への一定の評価を与えつつ、化学兵器の使用とヒズボラのシリアでの関与に多少の威嚇をにじませているように思えます。結局、ジョーバル地区での化学兵器の使用疑惑を溶解するほどの記事は見られませんでした。むしろ2週間前にハラスター地区で化学兵器が使用されていたことに驚きです。シリアで何が起きているのかを理解することは雲をつかむようなものなのか。