CNNから-Forget Ukraine, Syria is now the world’s biggest threat-

ウクライナの情勢を目で追うこともしていないのですが、日本の新聞を読めば、それなりに情報が入ってきます。シリアと異なり、日本のメディアもウクライナ入りして、今後の選挙やらロシア、欧米の動向などを細かく報じています。そんな中で、ガーディアンや他紙で編集委員を務めるSimon TisdallがCNNにこんな記事を寄稿していました。詳しく見ていきます。

http://edition.cnn.com/2014/04/03/opinion/syria-refugees-tisdall/index.html?hpt=imi_t3

クリミア半島のロシア併合は国際社会の関心事を釘づけにしている。新たな冷戦の始まりか。メディアだけでなく、政治家も外交官もウクライナの情勢に目を奪われている。シリアすら蚊帳の外に置かれている状況は非常に大きな過ちを犯している。シリアで起きてる大惨事は世界の秩序への脅威として認識されなければいけない。

確かに西側諸国にとって、シリアはクリミアほど直接的に脅威が及ぶわけではない。しかし、シリアの動向は中東のパワーバランスに大きな変化をもたらす。ウクライナや周辺諸国と違い、シリアでの甚大な人権蹂躙は終わりの見えない形で破たんし始めている。死者数が10万人を超えていることからもそれは明らかである。

国連の調査によりレバノンに逃げ込むシリア人は百万人を突破した。毎週12000人あまりが今もレバノンに流出している。トルコ、ヨルダン、イラク、エジプトも深刻な状態にある。その数は2500000万人。6500000人は国内避難民、9300000人が人道的支援を必要としている。

シリアでの内戦はイスラム原理主義勢力の台頭を容易に促される環境に置かれている。シリア北部は西側の利益や価値観に反対する勢力が結託している。アルカイダ系と呼ばれる一部の狂信的な勢力がヨーロッパへの橋頭保としてシリアが利用されつつある。その勢力の中にはヨーロッパからジハードを掲げている人々も多数いるとされる。彼らの過激な思想はやがて祖国に持ち込まれる可能性がある。

シリアの不安定化は自国のみならず、隣国に波及する。トルコでは当初は対話路線で事態の打開を計ったが、現在では実質的にアサド政権との戦争に深く関与している。クルド人の問題にも頭を悩ましている。レバノンやヨルダンといった西側寄りの国家にも深い影を落とし、ヒズボラやイラクのシーア派勢力がシリアではアサド政権側に付いて戦闘に参加している。

シリアの崩壊はイランにとって中東での影響力を拡大する好機を与えている。スンニ王国サウジアラビアはそんなイランの進出を苦々しい思いで見つめていると同時にアメリカによるシリアの不介入に不満を募らせている。ロシアはアサド政権を執拗に無節操に支援を続けることで欧米は取り乱し、ジュネーブでの和平会議は頓挫した。アメリカのシリアに対する弱腰姿勢は、ロシアを勢いづけ、クリミア半島での大胆な行動を許したとも言える。

シリアの大統領として君臨し続けるバッシャール・アル=アサドは国連安保理やシリアの包括的な解決策、国連憲章、国際法を甚だしく侮辱している。人道に対する罪や戦争犯罪で告訴されるうる十分な要件を満たしているにもかかわらず。少なからず市民に対して化学兵器を使用したことは疑いようがない。

もう一度繰り返せば、ほとんど何もやっていないということである。国際機関や法律の信頼性は結果的に被害を受けた。そうような怠慢によって引き起こされた道徳的な実例は傷ついているということである。

ロシアが独立した主権国家を併合することによって起きた悪い慣例は甚大である。そのような行為は受け入れがたい違法性があると言うのが望ましく、他国は決して追随すべきではない。

英語が得意な方は原文をお願いします。結構、辞書引きましたし、うーん、こんな意味かなって推測した箇所もあります。ただ記事自体はさらさらした内容で目新しさはないのですが、ただ最後の方で重要なことを述べています。それは道徳的なモラルを維持するための重要な機関である国連、また重大な人権侵害を取り締まる法律、戦争犯罪や人道に対する罪、これらがいかに脆弱で形骸化し、無用の長物であるかをシリア、そしてクリミアは世界に見せつけたということです。新しい何か、それがどんなものかは僕なんかには想像できませんが、とにかく国連や国際法の存在をまっさらにするか、形を変えるしか、、、ないでしょう。