戦争犯罪人を交渉のテーブルに

シリアの惨状はネットを通じて世界に発信されています。絶え間なく。僕は基本的に頭は空っぽです。国際政治学?国際関係論?何かそういった難しい「~学」「~論」は苦手で手付かずです。ジャーナリズムも独学です。失敗を繰り返しながら、現場から吸収してきました。「『正しい戦争』という思想(山内進、勁草書房)」という書籍があります。頭が痛くなるぐらい僕には難しい本なので、紹介はできないのですが、気になった箇所がありました。「人道的介入」に関する定義です。コソボが事例として挙げられていました。喧々諤々と議論はあるでしょうが、既に国連憲章が形骸化している中で、合法も違法もない気がします。シリアを取り巻く環境は複雑です。でもたくさんの人が隣国に逃れ、たくさんの人が殺されて、たくさんの建物が破壊されて、和平交渉に希望を見出すぐらいなら、軍事介入しろよって思います。実際に国連で活動している職員の方々はどう感じているのだろうか。特に現場で汗水たらして働いている職員は。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE9B202Z20131203

ロイターの日本語の記事です。冒頭に紹介した書籍にも繋がりますが、記事の内容を深く理解するために「戦争犯罪」とは何かを知る必要があります。その定義とは。でも僕はそういった基本的な知識がないので、ブログを書く際にいつも頭を悩ましています。ただ国連が支持する和平交渉の政府の代表団のトップはアサド政権なのでしょう。そうなると、国連の補助機関である国連人権理事会のトップのこの発言は問題だろうと思います。ただこの記事を読んでも、「戦争犯罪」の嫌疑が持ち上がったアサドの罪状が明示されていません。

http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-25189834

BBCではピレイ人権高等弁務官が「調査によって人権侵害に関わる重大な証拠が浮上してきた。それは非常に深刻な戦争犯罪に関わる事案である」と述べています。「凶悪な侵害事項に該当する犯罪が双方(体制派、反体制派)によって行われた」。「国のトップを含めた高いレベルでの政府の関与」。この発言にシリア政府のFaisal Mekdad副外相は否定しています。「まったくばかばかしい話だ。我々は彼女の話に聞く耳を持たない」と非難しています。ピレイ人権高等弁務官は政府が直接関与した起訴できるレベルの戦争犯罪者のリストを作成していました。もちろん氏名は極秘事項であり、公表されていませんが、そのトップのアサドの関与は疑わしいということを彼女は述べているということなのかなと思います。

http://edition.cnn.com/2013/12/02/world/meast/syria-civil-war/index.html?hpt=wo_c1

CNNの報道にも目新しさはありません。リストにアサドの氏名が記されているのではという疑惑については言及を避けています。公式な国際調査団による事実認定が報告されるまでは氏名の公表は控えるのが原則みたいです。

http://english.alarabiya.net/en/News/middle-east/2013/12/02/U-N-Assad-involved-in-war-crimes-.html

普段はあまり目を通さないアル・アラビアです。特に他と変わりありませんが、シリアでの死者数について記されていました。12月1日時点で、シリア人権監視団(SOHR)によれば、125835人の命が奪われています。内訳は市民が44381人(子供6627人、女性4454人)、反体制派27746人(19000人以上が反旗を翻して武装化した市民、2221人が離反兵、6261人が外国人勢力)、体制派50927人(31174人が政府軍、19256人がアサドに忠誠を誓うシャッビーハなど)、232人がヒズボラ、265人がシーア派の外国人勢力、2781人が身元不明。記事の結びには「殺傷能力のある重火器により何千人という命が奪われているときに化学兵器の破壊だけに関心を払う国際機関はどうかと思う」と書かれていました。

結局、詳しい証拠は公表されてないってことでした。でも、どうしてかなってことが一つ。今回の戦争犯罪と来月に予定されている和平交渉との関連性を指摘している記事が見当たらない。僕が確認した限りでは。普通に考えれば、戦争犯罪人と公式の場で交渉するなど笑止千万だと思うけど、何か僕の方で勘違いしているのか。最後にもう一つだけ。

http://www.washingtonpost.com/opinions/david-ignatius-in-syria-ousting-assad-may-be-only-the-beginning/2013/12/02/24013450-5b9d-11e3-a49b-90a0e156254b_story.html

FSAの穏健派のサリム・イドリス参謀長が交渉参加に前向きの姿勢のようです。アサド退陣は変わらず求めますが、時期を明言していません。彼がこの記事で述べているのは、外国人勢力の脅威についてです。彼の真意については分かりませんが、双方(政府軍とアルカイダ系)を敵に回して戦えるだけの余力がFSAには現時点で備わっていないのでしょう。とりあえずアサドと距離を置き、外国人勢力打倒を掲げることで欧米からの細々とした支援を拡充したいのだと思います。

陰謀論のようないい加減なことはブログに書きません。でも参考程度に僕のブログは見てください。やはり僕に足りないのは知識です。シリアに足を運ぶ前は、「中東なんてイスラエルがいなければ、平和が訪れるんでしょ」ぐらいの豆粒程度の知識でした。現場に足を運んでナンボでしょ。これが僕のスタンスであり、今も変わりません。だから大学教授のシリアの分析記事とか読むと、目から鱗だったりします。こういった構造で中東は動いてるんだって。今年は・・・無理だなあ。