Pew Research Centerによるシリアを巡る世論の動き

昨日、新宿のネイキッドロフトでのトークイベントを観戦してきました。テーマは「シリア」。シリアに実際に足を運んだお三方(常岡浩介、安田純平、藤本敏文)をゲストに迎えてのトークショー。藤本さんとは面識がなかったけど、話したらメッチャ気さくなおっちゃんだった。観戦に来られた方々も写真家、記者、NGO関係と様々。僕が駆け出しの頃にお世話になった方もいて10年ぶりぐらいに再会したり、会いたくてもなかなか機会が訪れず会えなかった写真家や記者の方もいた。久しぶりに共通の話題に花を咲かせて、おいしいお酒が呑めた。ただ、4時間近く話をしても、シリアの明るい未来を描けなかった。

http://www.people-press.org/2013/09/03/public-opinion-runs-against-syrian-airstrikes/

アメリカ国内の世論の動向が気になるところです。アフガニスタン、イラクと軍事介入による失策にトラウマを抱えたアメリカ国民は今回のシリアへの介入をどう受け止めているのでしょうか。

8月29日から9月1日に行われたアンケート調査。成人男女1000人に聞きました。「あなたは軍事介入に賛成ですか?反対ですか?」。民主党支持者は賛成29%、反対48%。共和党支持者は賛成35%、反対40%。無党派層は賛成29%、反対50%。それでも今年の4月にアンケートしたときと比べて、支持が上がっている。これにはアサドの化学兵器の使用が影響されている。

介入することでのアメリカや彼に追随する国々への大衆の反発が巻き起こることへの可能性は74%がイエスと答えている。イラクやアフガニスタンのような泥沼に陥る可能性も61%がイエス。僅か33%の国民が介入により化学兵器の使用が今後防げると答え、51%が懐疑的であると答えている。アサド政権が化学兵器を使用したことへの信憑性に関しては53%が犯行ばアサド政権、誰が使用したか明確ではないが23%に留まる。

オバマ大統領が軍事介入への動機を明確に国民に向けて説明したのか。十分ではないと答えたのは48%に上る。民主党支持者が共和党支持者より介入には否定的である。民主党支持者は52%が空爆を行う理由を説明すべきだとし、33%がその必要はなしと回答している。共和党支持者は60%、無党派層は54%が必要なしと答えており、やはり民主党支持者の介入不支持が目立つ結果となっている。仮に空爆しても化学兵器使用の抑制が困難であると答えたのは無党派層58%、共和党支持者54%、民主党支持者40%。この3者の結果を見ても、大きく言えることは、介入することで中東での反米意識がさらに高まるということである。民主党支持者71%、共和党支持者77%、無党派層77%の結果からそれらの事実が浮き彫りになる。

シリア情勢に関するニュースへの関心度は化学兵器使用後、軍事介入が騒がれるにつれて、急激に増している。39%が軍事介入による可能性に興味を抱き、医療保険制度改革が23%、カリフォルニアの山火事が20%等々のニュースを押し退けてトップに躍り出ている。

今回の調査は電話によるものであり、18歳以上の成人男女1000人を対象にしている。共和党支持者226人、民主党支持者301人、無党派層352人、その他は不明(エラー)。

http://www.pewresearch.org/fact-tank/2013/09/04/obama-makes-his-case-for-syrian-airstrikes-is-it-working/

さらに付け加えて、アンケートを詳細に見ると、木曜日と金曜日では、オバマ大統領の空爆への動機の明確な説明を行ったのかに関してイエスが27%だったのに対して、土曜日と日曜日での集計では38%と向上している。だからといって、今後の説明責任には最善を尽くさなければいけない。なぜなら「木、金」と「土、日」の調査でも介入への反対が共に47%、48%という高い水準を維持しているからである。

注目すべきは軍事介入への肯定派と否定派が「木、金」と比べて「土、日」の結果から拮抗し始めていることである。民主党支持者は29%から37%と肯定派が盛り返し、共和党支持者は逆に肯定派34%、否定派39%から肯定派30%、否定派49%と肯定派が4%減り、否定派が10%増えたことになる。

世論調査は政策に大きな影響を与えます。政治家の誰もが国民の支持の上に成り立っているので。日本の新聞も右寄り左寄りがあり、世論調査の動向が意図的に操作されて新聞各紙によってデータがまちまちだったりします。ピュー研究所はどうなんだろうか。WIKIを見ると、運営者はマデレーン・オルブライトとジョン・ダンフォースとされている。民主党と共和党。中立なのかな。

http://projects.nytimes.com/live-dashboard/syria?smid=tw-nytimes

軍事介入が騒がれてから、メディアが騒がしい。ツイッターを半日も放置すると、呟きがエライことになってる。各メディアが特別ブログを開設して、軍事介入に絡むシリア情勢を秒歩の勢いで追いかけている。NYTimesお勧めです。ただ僕自身に関しては軍事介入をやるにしろ、やらないにしろ、その経過は興味がありません。アラビア語の勉強に時間を割いた方が効率的です。問題はやった後、やらなかった後、そこからまたムクムクと好奇心の芽が顔を出すのかなあ。頭悪いから、広い視野で物事を観察するのが苦手なんで。「事件は現場で起きてるんで!」。

http://www.aljazeera.com/programmes/insidestory/2013/09/20139462340765340.html

レバノン(720003)、ヨルダン(519676)、トルコ(463885)、イラク(171984)、エジプト(111101)、シリア国内(4250000)。この()内の数字はシリアで発生した難民の数です。各国によって難民の暮らす環境も異なります。アルジャジーラの「InsideStory」ではそれらが分かり易くまとめられています。ちなみにシリアの人口は22000000人(2200万人)。難民数が600万人以上。数字を見れば、異常な事態だと一目で分かります。