停戦合意-ダマスカス郊外からのレポート-

「まさか死ぬわけがない」。駆け出しの頃、こんな軽い気持ちで取材を行っていました。しかし、何度か危険な経験をすることで考え方も変わりました。現在は「死ぬかもしれない」というスタンスで取材を行っています。ただシリアの現状は僕の手には負えません。乾坤一擲の決断を下してシリアに乗り込む。そんな気概は僕にはありません。「死ぬかも」じゃいけない。今のシリアを取材するために必要な心持は「死ぬ覚悟」です。

以前からダマスカス周辺の停戦合意はたまに報じられていました。例えば樽爆弾が降り注いでいるダーリーヤ地区、化学兵器が使用され、住民が飢餓に苦しんでいるマーダミーヤ地区、ドゥーマ地区でも政府軍が話し合いのために丸腰で反体制派と接触している動画なんかもありました。ただどれも失敗に終わりました。双方が提示する条件の食い違いと互いの不信感や憎悪が障壁となりました。例外的な地区ももちろんありますが。しかし、先日、いくつかのメディアである地区が停戦に合意したとの報道がありました。それについて詳しく見ていきたいと思います。 続きを読む

カラモン攻防戦-追加-

http://www.reuters.com/article/2014/02/14/us-syria-crisis-homs-scene-idUSBREA1D0HR20140214

ホムスの反体制派支配地域から1500人近くが避難していますが、政府側が提示した条件から外れた避難者(15歳から55歳までの男性)が数百人拘束されています。容疑が晴れた者は解放されているようです。旧市街には依然として1500人の反体制派の人間と1000人近い市民が残っています。避難者の列に向かって居残り組みの住民がこんな言葉を投げつけています。「You’ve sold out Homs!」。また政府側は避難を促進するための甘言を垂れています。

“Those who have broken the law will answer to the law. But if you come to the state and say ‘I’ve made a mistake, I was wrong’, then that is it. It’ll be over. Don’t worry.”

「法を犯した者は法の下で裁かれるだろう。しかし、こちら側(アサド政権)に来て、『私が間違ってました』と自らの罪を認めれば、それで全て終わりになるだろう。何も心配することはない」。この「over」の意味をどう解釈すればいいのだろうか。「生」か「死」か。ホムスの住民は究極の選択を迫られています。 続きを読む

兵糧攻め-追加-

http://www.latimes.com/world/la-fg-syria-aid-20140205,0,6145120.story#axzz2sRHI6xGR

今週の火曜日、ヤルムーク地区の包囲網が一部解除されました。かつては200000人の住民が暮らしていたヤルムークの人口は18000人ほどまで減少。前回の限定的な救援物資の搬送を越えて今回は多くの住民がヤルムーク地区から別の地区へと避難しているようです。ただし、女性、子供、高齢者が大半です。

「小さな一歩だ。だが、ヤルムークをきっかけにして、より多くの人々に支援の手が差し伸べられることを願っている」

赤新月社のスタッフRazan Jaradehは述べています。現在も政府軍の包囲網によりシリア全土では約250000人の人々が過酷な環境で生きながらえています。しかし、事情は複雑です。政府側は反体制派が住民の避難を制止していると非難しています。「人間の盾」として利用しているわけです。 続きを読む

兵糧攻め

アラビア語の勉強を始めて1年半ほどになります。独りぼっちで頑張ってきましたが、週一回の授業に通うことになりました。まだ1回しか参加していないのですが、何とかついていけそうな気がします。ただ本当にこの言語を多少でも扱えるようになるのか不安です。外見はシンプルなんだけど、中身は複雑で、精密機器みたいな言葉。ちなみに英語に関しては、このブログが役立っています。いい加減なことが書けないので、辞書を片手に丁寧に読み解いています。

余談でした。和平会議、進展がないようですね。期待している人がどれほどいたのか疑問ですが。以前からブログでも何度か取り上げている「兵糧攻め」に関していくつかの記事を拾い読みしたいと思います。結構、どのメディアでもこの話題は様々な角度から報じられているので。 続きを読む