イスラム軍司令官、ザハラーン・アッルーシュの死

昨日、ザハラーン・アッルーシュ(Zahran Alloush, زهران علوش)がロシア軍の空爆により殉教しました。彼は1971年生まれ、ダマスカス郊外のドゥーマ出身です。彼の息子の一人はサラフィー主義の説教師でサウジアラビアで暮らしています。彼自身もサウジアラビアのイスラム大学でシャリーアの修士号を取得している切れ者です。

https://en.wikipedia.org/wiki/Zahran_Alloush

どのメディアでも彼の死は大々的に報じられています。

http://www.theguardian.com/world/2015/dec/25/zahran-alloush-leader-syria-rebel-group-killed-airstrike

東グータ地域での会議中にロシア軍の空爆を受けました。アッルーシュの他に5名の指揮官が殺害されました。彼は経歴からも分かるように厳格なイスラム教徒です。アラウィー派やシーア派の排除を促す言動も見られました。しかし、イスラム国とも敵対しており、宗派間の抗争を煽るような言動は最近では見られず、西側諸国から受け入れられやすい人物だと思われていました。 続きを読む

白いヘルメットの救助隊

シリアの動画を度々見ている方なら、既にご存知かと思いますが、空爆や戦闘の現場に駆けつけて、多くの犠牲者を救助している中に、白いヘルメットを被った人たちを見かけます。彼らは救助を専門にしている隊員です。そのトレードマークが白いヘルメットであり、本来であれば、彼らは戦闘員とは区別され、攻撃の対象にされませんが、女性子供も容赦なく殺害するアサド政権にはお構いなしです。そんな彼らの声をお伝えします。

https://herofund.whitehelmets.org/donate/crowdfund/

私の名前はRaed Al Salehです。「White Helmets」として知られるシリア民間防衛隊の指揮を執っています。我々はこれまで瓦礫の中から22693人の人々の命を救いました。しかし、隊員が負傷しても、治療するお金もなく、隊員が命を落としても、彼らの家族に与えられるものは何もありません。 続きを読む

ロシア空爆の効果

http://www.theguardian.com/world/2015/dec/21/russias-airstrikes-on-syria-struggle-to-spur-progress-on-the-ground

シリアでのロシアの空爆は地上ではさほど効果がないように思える。

アサド政権を支援するために軍事介入に乗り出したロシアですが、三カ月近く経つロシアの空爆はアサド政権とシーア派民兵に少しばかりの勝利をもたらしたに過ぎません。一方でロシアの空爆で600人以上の一般市民が命を落としています。日曜日には70人が亡くなりました。

過去2週間でダマスカスとハマの反体制派支配地域ではインフラ設備や公共施設が標的にされました。「希望が見え始めたとケリーが主張する理性的なロシアはどこにいるんだ?アサドでさえロシアのようなやり口で空爆をしなかったし、ISISだってこのような手法で我々を攻撃しなかった」。そう語るのはイドリブの病院で働く医師です。

ロシアの空爆が成果を上げない中、アサド政権は地上軍を増強するため徴兵を行っています。ダマスカスでは人員を補給するため、2カ月前から予備役の募集をかけています。既に兵役を終えた若者たちをターゲットにして再び予備役として徴兵するのに必死です。 続きを読む

シリアに今も残る人々

ご無沙汰していました。日本は安保法案で揺れていますが、世界の関心は欧州へと流入する難民をどうすべきかに注目が集まっています。メディアでも連日のようにトップニュースで報じられています。シリアでは2300万人の人口の半数以上が住居を追われ、400万人以上が国外に逃れています。しかし、今もシリアに残る人々がいます。彼らはどのように暮らしているのでしょうか。NYTIMESの記事を紹介したいと思います。

http://www.nytimes.com/2015/09/16/world/middleeast/for-those-who-remain-in-syria-daily-life-is-a-nightmare.html

ダマスカス郊外ドゥーマではアサド政権による砲撃や空爆から逃れる市民で溢れています。ドゥーマはダマスカスでは最も早く反政府デモが行われた町でした。反体制派と政府軍との戦闘は常態化し、日々、状況は悪化の一途を辿っています。ここ数カ月でのドゥーマでの政府軍による激しい攻撃を見れば、それは明らかです。砲撃と空爆が雨のように降り注いでいます。 続きを読む

樽爆弾の脅威

アレッポに行くと、崩れ落ちた建物を至る所で目にします。樽爆弾の仕業です。アラビア語で「برميل متفجر」。その威力は甚大です。どれほど離れていたのか定かではありませんが、アレッポで投下された樽爆弾が地響きを上げて真っ青な空に向かって噴煙を巻き上げているのを目撃しました。それ以降、上空を旋回するヘリコプターの機影を見かける度に僕は不安な気持ちで眺めていたのですが、周りのムジャヒディーンは「ハロー!ハロー!」とヘリに向かって手を振っていました。マジで笑えなかった。

http://www.hrw.org/news/2015/02/24/syria-new-spate-barrel-bomb-attacks

今週の火曜日、24日にHuman Rights Watch(HRW)が樽爆弾についての詳細なレポートを公開しました。興味ある方はぜひ。少し文章が長いので、HRWの報告書に関する記事、アル・アラビヤを参考にしたいと思います。 続きを読む

誰のための空爆か???

お久しぶりです。シリア関連というよりイスラム国関連でしょうか。日本のメディアも騒がしいですね。ただ残念なのは、イスラム国の現地での状況を伝えられる世界でも数少ない方々が今後のシリアでの調査、取材等々に支障をきたすのではと心配しています。

母国語が日本語であるため、海外のニュースに目を通してシリア情勢を追いかける方はごく限られています。今回のイスラム国も日本人が絡まなければ、ここまでイスラム国のことが話題になることもなかったでしょう。 続きを読む

ホラーサーン(Khorasan/خراسان)

アメリカが遂にシリアを空爆しました。ダマスカス郊外で化学兵器使用により千人を超える死者を出した際にも空爆を躊躇したオバマ大統領がイスラム国を自国並びに国際社会の脅威だと位置づけて有志連合を結成、形骸化した安保理決議も無視して空爆に踏み切りました。僕はシリアと関わることで中東を徐々に理解してきました。それでも分からないことだらけです。特に大国の思惑には頭を抱えています。

今年の4月末から5月末まで約1か月間シリアに滞在しました。頻繁に顔を合わせたのはムジャヒディーン軍とイスラム戦線です。彼らの会話の中で度々「イスラム国」と「ヌスラ戦線」の話題が顔をのぞかせます。しかし、両者と接触を持つ機会は訪れませんでした。ただ反体制派組織の大半がイスラム国を罵倒し、ヌスラ戦線を賞賛していました。前置きはここまでとして、今回の空爆の対象になった「ホラーサーン」について書き綴りたいと思います。 続きを読む

拾い読み

ここ1週間ほどシリアに関する詳しい記事を見ていませんでした。ツイッターの呟きを眺めていたぐらいです。シリアの記事は豊富にありますが、ありすぎて何から手を付けて良いのか分からない。だから、しばらく放置して、その後で気になった記事だけ拾い読みしようかと思っています。その際、利用するサイトはロイターがいいかなと。綺麗にまとめられているので。 続きを読む