誰のための空爆か???

お久しぶりです。シリア関連というよりイスラム国関連でしょうか。日本のメディアも騒がしいですね。ただ残念なのは、イスラム国の現地での状況を伝えられる世界でも数少ない方々が今後のシリアでの調査、取材等々に支障をきたすのではと心配しています。

母国語が日本語であるため、海外のニュースに目を通してシリア情勢を追いかける方はごく限られています。今回のイスラム国も日本人が絡まなければ、ここまでイスラム国のことが話題になることもなかったでしょう。 続きを読む

ホラーサーン(Khorasan/خراسان)

アメリカが遂にシリアを空爆しました。ダマスカス郊外で化学兵器使用により千人を超える死者を出した際にも空爆を躊躇したオバマ大統領がイスラム国を自国並びに国際社会の脅威だと位置づけて有志連合を結成、形骸化した安保理決議も無視して空爆に踏み切りました。僕はシリアと関わることで中東を徐々に理解してきました。それでも分からないことだらけです。特に大国の思惑には頭を抱えています。

今年の4月末から5月末まで約1か月間シリアに滞在しました。頻繁に顔を合わせたのはムジャヒディーン軍とイスラム戦線です。彼らの会話の中で度々「イスラム国」と「ヌスラ戦線」の話題が顔をのぞかせます。しかし、両者と接触を持つ機会は訪れませんでした。ただ反体制派組織の大半がイスラム国を罵倒し、ヌスラ戦線を賞賛していました。前置きはここまでとして、今回の空爆の対象になった「ホラーサーン」について書き綴りたいと思います。 続きを読む

カラモン攻防戦-終結-

http://www.understandingwar.org/sites/default/files/Qalamoun-Map.jpg

このマップを使うのも今回で終わりになるのでしょうか。カラモン攻防戦、アサド政権に軍配が上がったようです。ここを奪われたら、レバノンからの補給ルートがほぼ壊滅状態に陥るのではないでしょうか。反体制派の必至の抵抗もヒズボラの参戦により力尽きたか。いくつかの記事を並行して一連の動きを読み解きたいと思います。

http://www.reuters.com/article/2014/03/15/us-syria-crisis-town-idUSBREA2E06P20140315

カラモン一帯で唯一の反体制派の砦とされたYabroudが体制派(アサド政府軍、ヒズボラ)に圧倒されつつあります。反体制派の構成員は大半がシリア人主体のFSAとは異なる外国人部隊であるヌスラ戦線で固められています。先日、昨年12月に誘拐された修道女13名が解放されました。その交渉役の一人であり、ヌスラ戦線の指揮官Abu Azzam al-Kuwaitiは金曜日に殺害されました。 続きを読む

イラクとシャームのイスラーム国-追加-

2014年1月7日、ダマスカス郊外のドゥーマが空爆された。活動家によれば、アレッポでも使用された「樽爆弾」がヘリから投下されたらしい。TIMEに空爆直後の写真が掲載されていました。この世に生を受けて僅か数ヶ月足らずの幼児までもが犠牲になっています。

http://world.time.com/2014/01/07/assad-regime-airstrike-hits-damascus-neighborhood-say-activists/

シリア、取り上げる話題は無数にあります。2週間後に控えた和平会議、化学物質の輸送と処分、増え続ける国内、国外避難民、暴力の形態も多様化しすぎて、実態が掴めない。最近ではISISの動向が注目されています。イドリブ県、アレッポ県、ラッカ県ではFSA、イスラム戦線、イスラミスト(ヌスラ戦線など)がISISと激しく陣取り合戦をしています。 続きを読む

イラクとシャームのイスラーム国

http://www.dailystar.com.lb/News/Middle-East/2014/Jan-06/243232-islamic-front-issues-strong-warning-to-isis.ashx#axzz2pbhXUviS

アレッポではISISのメンバーが医師を殺害したことから、衝突に発展しました。Islamic Front(IF)は医師を殺害した実行犯を引き渡し、裁判にかけるようにISISに求めたところ、どうやらISIS側が拒絶して、殺し合いが始まりました。さらにイドリブ県、ラッカ県、ハマー県にも戦火が広がりました。 イドリブ県ではトルコの国境付近の町ダナとアトメからISISが撤退し、代わりにヌスラ戦線とAhrar al-ShamがIFと共に現地を支配下に置いています。活動家によれば、撤退する際に戦闘はなく、彼らは重火器を全て運び出し、アレッポに進軍しているそうです。一部ISISのシリア国籍の戦闘員がヌスラ戦線に鞍替えしたとも報じられています。 続きを読む

誰のための革命か-追加-

http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-25627344

ラッカ県では以前からFSAとISISのいがみ合いが続いていました。BBCで最近の動向が報じられています。ISISによる人権侵害は市民の感情を害しています。拷問、処刑、数百名に上る活動家、メディア関係者、西側諸国の人間の拘束。ISISに対抗する勢力として、世俗的な反体制派勢力と外国人勢力を含めたイスラミストの両者が存在します。ヌスラ戦線は中立的な立場を維持していると見られています。

日曜日から月曜日の朝まで続いた両者の戦闘により、ISISにより拘束されていた50名のシリア人が解放されましたが、100名を超える死者が出ています(シリア人権監視団による報告)。以上です。。。活動家からの報告だけでは情報は乏しい。正確性にも欠けるでしょう。 続きを読む

打つ手なし-育まれる外国人勢力-

先週、誤ってパソコンに蹴りを入れてしまい、液晶が半分真っ黒になってしまいました。データは無事だけど、買い換えなきゃなあ。ここしばらくは本業(トラックのドライバー)が忙しくてシリアのニュースをじっくりと見ていませんでした。アラビア語の勉強とブログの更新の両立も難しく、これからはアラビア語に比重を置く予定です。語学の勉強は継続しないとすぐに錆付いてしまうので。でも必死で勉強したところで、いつシリアに行けるのだろうか。とても現在の戦況を見るに、行く気がまったく起きない。落ち着いたら行きたいけど、何年待てばいいのだろうか。ブログ、停滞します。申し訳ありません。

気になる記事を一つだけ紹介したいと思います。LATimesからです。 続きを読む

シリア北部での戦い-大連立-

昨日の朝、BBCを見てたら、国連安保理の会議の模様がずっとライブ中継されてました。化学兵器の廃棄に関する決議案が全会一致で採択されました。濡れ手で粟。順調に行われればの話ですが、欧米、イスラエル、彼らの同盟国は以前から化学兵器がアルカイダ系の武装勢力の手に落ちることを懸念していましたが、今回の決議案により払拭される可能性が出てきました。シリアの人々の命と引き換えに。何か違うって思います。優先順位が違うのだろうと。

前回のブログでラッカの戦況を書き記しましたが、どうやら北部全域がアルカイダ系と言われる外国人勢力と手を組まざるを得ない状況に立たされているようです。 続きを読む

シリア北部での戦い-ラッカ-

http://www.reuters.com/article/2013/09/20/us-syria-crisis-qaeda-idUSBRE98J0DK20130920

ロイターからの記事によれば、ラッカではFSAの2旅団がヌスラ戦線に合流したという報告がされています。一つは「the Raqqa Revolutionaries」、戦闘員750名。もう一つは「God’s Victory Brigade」、15大隊から構成された組織。ヌスラ戦線はISISとは異なり、シリアでの知名度を上げています。 続きを読む

引き続き外国人勢力について

僕のことで少し補足です。マオイストに殺されかけた理由は「スパイ」容疑です。引き金が引かれなかったのは、案内役の村人の助けによるものです。最終的に容疑が晴れて、所持品も所持金も無傷で返却されました。

外国人勢力について書き記したいと思いますが、果たして彼らのことを「外国人勢力」と呼んでいいのだろうかと悩んでいます。「アルカイダ系武装勢力」、「イスラム原理主義勢力」、「イスラミスト」、「ジハーディスト」、どれが最も適している呼称なのか僕には判断がつきません。とりあえず、「外国人武装勢力」で統一していきたいと思います。ただし、シリア人の中にもFSAから脱退して、外国人部隊に加わるケースがいくらでもあります。100パーセント外国人で組織されている部隊ではないことを付け加えさせていただきます。また「反体制派勢力」の呼び名をFSAで統一します。こちらも部隊名をいちいち並び立てるのも面倒なので。 続きを読む