アレッポ東部での暮らし-包囲網により隔絶された都市-

http://www.aljazeera.com/indepth/opinion/2016/11/russian-offensive-aleppo-161106114905738.html

朝、まず思い浮かべるのは、「今日はどのようにしてパンを手に入れようか」ということだ。ロシアの戦闘機が次の攻撃を仕掛ける間、私の頭を苦しめるのは、そんな問いかけだ。「今日はどのようにしてパンを手に入れようか」。

もしパンなしでの一日の生活を送りたくないのであれば、私は早朝5時に起きなければいけない。パン屋の前には大勢の人々が列を作っている。70日前にこの町が包囲されてから、このパン屋は週に3日、営業している。それぞれの家族が受け取れるのはパン5枚だけ。それも二日に一回だ。

特に攻撃もない一日であれば、6時までにはパンを受け取れるはずだ。パン屋に行列を作る人々は口々に同じことを叫ぶ。「私には子供が10人もいるの。娘は未亡人で、子供が3人いる。たった5枚のパンでは足りないわ!」。答えは簡単だ。「5枚しか渡せない。それは管理委員会が決めたことだ。私はその命令に従っているんだ」。私は1時間以内に何とかパンを受け取ることができた。

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アレッポの被害状況

https://www.theguardian.com/world/2016/oct/31/syrian-rebels-aleppo-offensive-could-amount-to-war-crimes-un-envoy-warns

簡単にですが、アレッポでの戦況を伝えます。

現在、アレッポ東部がアサド政権によって包囲されています。275000人が現在も取り残されています。政府軍とロシアは先週から空爆を停止、住民への避難を促していますが、今のところ実行には移されていません。迫撃砲や空爆が行われているとの報道もあります。

反体制派組織はアレッポ西部(アサド政権支配地域)への無差別砲撃を行っています。事前に住民は外出するな、シェルターに避難しておけ、反体制派はそう警告してから砲撃を開始しています。しかし、日曜日には7人が命を落とし、3人が子供でした。その後も砲撃は続き、シリア人権監視団によれば、3日間で41人が犠牲になり、16人の子供も含まれています。

さらに毒ガス攻撃を行ったとアサド政権側は主張しています。反体制派は否定しています。国営放送のSANAは、日曜日、al-Hamadaniyehで反体制派が毒ガス攻撃を行い、48人が呼吸困難に見舞われ、病院で治療を受けていると報道しています。

アレッポ包囲網打開作戦は激しさを増し、土曜日にはアサド政権側が1000人の砲兵を補充しています。反体制派側は2000人から2500人ほどが攻撃に参加していると見積もられています。

国連は今回の事態に対して、何の対応も出来ていません。ただ、アレッポ東部と西部での攻撃で命を落としている市民がいる。もう十分だ。でも、東部の包囲網を解除するのは重要な課題だ。市民はシリアの古代都市アレッポに安定した停戦の実現を求めているし、必要なことだ。でも具体的な方策は何も示せずにいます。

大規模な戦闘が起きるのは時間の問題でした。なぜなら、アレッポ東部が包囲され、食料が枯渇する中で、十分な飲み水すら確保できない。ならば、反体制派は飢えが極限状態になる前に包囲網を打ち破るしか手はありません。結局、国連とそれに並ぶ大国は包囲網への打開策を突破することができず、反体制派は力でねじ伏せる作戦を着々と進めて、機が熟したのでしょう。

ある一家の物語-アレッポでの暮らし-

今、イラクの方が騒がしいですね。モスルをイスラム国から奪還するため、政府軍、シーア派民兵、ペシュメルガ、空からは有志連合と、攻め上げています。半年ほどかかるようなことを報じていた気がしますが、仮にモスルが陥落すれば、次はラッカかなあ。ただ、僕は直接足を運んだ場所でしか、物事を語れません。イラクは素人なので、発言は控えます。

シリアはアレッポが大変ですが、イドリブ県でも反体制派が揉めています。とりあえず、アレッポに焦点を絞り、FPの記事を紹介できたらと思います。

http://foreignpolicy.com/2016/10/16/are-you-silent-because-we-are-muslims/

停戦が崩壊した9月23日から10月8日までのアレッポ東部での死者は国連の統計で406人になります。先週の水曜日には市場が空爆され一瞬にして46人の命が奪われました。これだけの虐殺が、実行犯が明確にもかかわらず、一向に収まらないことにもはやアレッポで暮らす住民はどれほどの思いを抱いているのか。

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アレッポからの手紙-My city is not just a death toll-

Syrian Civil Defense の創設者の一人であるBeebers Mishal(31)からのアレッポからの声です。停戦が崩壊して1週間足らずでの死者は400人を超え、負傷者は数百人に上っています。いったいアレッポでの生活はどのようなものなのか、彼の言葉から多少はうかがい知れるかもしれません。

http://www.aljazeera.com/news/2016/09/letter-aleppo-city-death-toll-160928055621630.html

いつ起きたのか、いつ眠りについたのか私ははっきりとは覚えていない。町全体に絶え間なく爆弾が降り注ぐような状況ではここで暮らす人々には「眠り」なんてものはない。戦争と平和に関する法律に私は造詣が深いが、自信をもって言えることがある。国際社会はこれらの法律をシリアに適用することはない。アレッポは燃えている。そして世界は黙って見つめている。ロシアの空爆は間断なく続いている。

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アレッポでの殺戮

繰り返し繰り返しアレッポでの報道を取り上げています。内容が重複する箇所が所々見られるかもしれませんが、世界のニュース、連日のようにアレッポでの戦況を報じています。昨日、アルジャジーラの記者JamesBayが国連の会場をあとにするシリアの国連大使BasharJaafariに質問を投げかけました。アレッポで2カ所の病院を爆撃しましたね?それに対して彼は鼻で笑ってそのまま通り過ぎていきます。

https://www.youtube.com/watch?v=s3qJMDKDhpQ

こちらはアレッポ東部、反体制派地域のドローンによる空撮です。人影がちらほらと見られます。とても人が暮らす環境ではないことが一目瞭然で分かります。

https://www.theguardian.com/world/video/2016/sep/27/drone-footage-shows-scale-of-destruction-in-eastern-aleppo-video

WPからの記事を拾い読みしたいと思います。

https://www.washingtonpost.com/world/darkness-and-fear-in-aleppo-as-the-bombs-rain-down/2016/09/28/07b65246-842e-11e6-b57d-dd49277af02f_story.html

夜間の空爆は最悪だ。電気は寸断されているが、自家発電で辛うじて必要な明かりは確保できる。しかし、真っ暗闇の中に灯る光は空爆の標的になりやすい。ここで暮らす住民は暗闇の中で肩を抱き合って眠る。上空には戦闘機のジェット音が鳴り響き、爆弾が落ちるのを固唾をのんで見守る。一人では死にたくないと彼らは思う。

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アレッポで暮らす子供たち

アレッポの街中をうろうろしていると必ず子供たちに囲まれます。銃声が鳴り響き、迫撃砲の重い音が木霊しても、上空をヘリが旋回して、瓦礫の山が築かれても、子供たちは笑顔で走り寄ってきます。僕自身はあまり子供をテーマにして取材はしていません。「戦火の中で生きる子供たち」みたいなベタな内容の記事を書きたくないという理由もあります。それでも、ふとシリアでの生活を振り返ると、子供たちの姿が真っ先に浮かびます。

http://www.nytimes.com/2016/09/28/world/middleeast/syria-aleppo-children.html

そんな子供たちのお話しがNYTimesに掲載されていました。笑顔とは対照的な悲惨な光景が現在のアレッポで暮らす子供たちの姿です。

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人として

シリアを取材して初めて心の底から伝えなきゃと思いました。以前までは伝えることは「取材に協力してくれた方々への礼儀」、「ジャーナリストとしての義務」という側面が強くありました。でも、初めてシリアを訪れ、そこで目にした光景は、ジャーナリストという職業とは関係なく、一人の人間として、伝えないといけないという思いが自然と湧き上がってきました。

これほどひどいことが行われているのに、どうして誰も助けてくれないのだろうか。一時的ではあれ、現場に身を置くと、そう感じます。この惨状を世界に伝えれば、状況は改善されるかもしれない。多くのジャーナリスト、市民記者、活動家がシリアの窮状を世界に訴えかけました。しかし、戦況は悪化し、死者は増え続けています。それでも報道は止みません。シリアの様子は毎日のように流れてきます。

報じたところで今すぐ戦火が止むわけではない。救いの手が差し伸べられるわけではない。でも伝えなきゃいけない。そう思わせているのは、ジャーナリストだからとかではなく、やはり人間だからだと僕は思います。戦争は殺し合いです。そこに人道だとか人権だとか甘い言葉は通用しません。でもただ殺されている人々を黙って見ていられないのが人だと思います。だから世界はシリアを報道し続けるし、僕もお金にはならないけれど、時間が許す限りブログを更新しています。

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偽りの世界-理想と現実とのギャップ-

今月21日、アサド大統領がAPとのインタビューに応じました。そのAPがアサド大統領の発言の真偽を検証する記事を配信しました。以前、2015年2月、BBCのJeremyBowenが単独インタビューした際にはじっくりと彼の発言に耳を傾けましたが(http://t-sakuragi.com/?p=1901)、今回はこの記事にしか目を通していません。

https://apnews.com/2208a4c2eb384594af44ff49d158cfe7

アサド大統領が強調している点が三つ。一つ目はアレッポで住民を閉じ込めるような包囲網は築いていない。二つ目はアサド政権とロシアは支援物資を運ぶ車列を空爆していない。三つ目はアメリカ主導の有志連合がデリゾールで60人もの政府軍の兵士を空爆で殺害したのは偶然ではなく故意である。

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牢獄の中で奪われる命

こちらの動画が多くのメディアで取り上げられています。

https://www.youtube.com/watch?v=7cfBmRW3isc

昨日、17日のことです。アレッポ東部の町Qaterji近郊でアサド政権、もしくはロシア軍の戦闘機が空爆を行いました。崩壊した建物から救出された一般市民の中には子供も多数含まれていました。最初に救出された男の子はOmran Daqneesh、5歳です。何が起きたのか分からない様子で一人椅子に腰かけています。その後、さらに二人の子供が救助されます。合計、4人の子供と男性2人、女性1人が負傷しました。

Omranは市内にある病院に搬送され、治療を受けました。この日、イドリブでも空爆があり、17人が殺害され、30人以上が負傷しています。こうした映像は毎日のように伝えられます。その中の一つが外の世界からの関心を呼び起こしましたが、1週間も経てば、風化しちゃいます。シリアの惨状を伝えた記録は風化速度が一瞬です。なぜなら、一般市民を巻き込んだ戦争に終わりが見えないからです。

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アレッポからの手紙-医師からの願い-

シリアの内戦を見ると、秩序が崩壊しています。でもそれが戦争だから、仕方がないのかもしれません。戦争をしていない場所で、現在進行形で繰り広げられている戦争を止める手段を考えても、戦争をしている国で暮らす人々には何の助けにもならないでしょう。それでも、自らの力で戦争を止められない状況では、外からの力に望みを託すしかないのでしょう。目の前で人がバタバタと殺されているのですから。

http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/aleppo-siege-doctors-syria-starvation-assad-forces-russian-airstrikes-humanitarian-crisis-a7183281.html

包囲されていたアレッポですが、反体制派の猛攻により小さな穴が空きました。それでも物資の不足は著しく、燃料は高騰し、インフラは壊滅状態、衛生面は最悪の状況です。さらに上空からはアサド政権とロシアによる爆弾の雨が降っています。アレッポには数少ない医師が懸命に負傷者の手当を行っています。そんな彼らからオバマ大統領に宛てたメッセージが送られました。翻訳(意訳)してみたいと思います。

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