アレッポ北部の攻防戦

和平協議による事態の打開は虚しくも崩れ落ちました。日程がずれ込み、誰も期待していない最中で開催されましたが、数日後には一時中断を宣告されました。今月末に再開されるようですが、シリアでは戦火は衰える兆しは一向に見られません。

http://www.theguardian.com/world/2016/feb/05/syrian-refugee-numbers-continue-to-build-on-turkish-border

数万人のシリア人が難民となってトルコとの国境に押し寄せています。しかし、トルコ側は国境を封鎖したまま、難民は行き場を失っています。和平協議が行われている最中に、アレッポではアサド政権とその協力者、ヒズボラ、イラク、イランのシーア派民兵が地上から、空からはロシアが尋常ではない空爆を行い、反体制派の支配地域の奪還に乗り出しました。特にロシアの空爆は数分置きに無差別に爆弾が投下され、町や村を薙ぎ払いました。多数の死傷者が出ました。 続きを読む

民衆蜂起から内戦へ-難民の現状と課題-

ムジャヒディーン軍の死者は僕の知り合い2名を含めて、計17名。その他の別の組織にも多数の死者が出ました。今回の衝突は規模が大きなもので、ロイターでも記事になっていました。

http://www.reuters.com/article/2015/02/19/us-mideast-crisis-syria-aleppo-idUSKBN0LM0PW20150219

場所はアレッポ。少なくとも政府軍70名、反体制派勢力80名が死亡しました。アレッポからトルコに至るルートを政府軍が攻めこむことで衝突が起きました。道路は遮断され、別ルートを模索する反体制派と政府軍がさらに衝突、現在も戦闘は続き、死者の数は双方共に増える模様です。 続きを読む

CNNから-Forget Ukraine, Syria is now the world’s biggest threat-

ウクライナの情勢を目で追うこともしていないのですが、日本の新聞を読めば、それなりに情報が入ってきます。シリアと異なり、日本のメディアもウクライナ入りして、今後の選挙やらロシア、欧米の動向などを細かく報じています。そんな中で、ガーディアンや他紙で編集委員を務めるSimon TisdallがCNNにこんな記事を寄稿していました。詳しく見ていきます。

http://edition.cnn.com/2014/04/03/opinion/syria-refugees-tisdall/index.html?hpt=imi_t3

クリミア半島のロシア併合は国際社会の関心事を釘づけにしている。新たな冷戦の始まりか。メディアだけでなく、政治家も外交官もウクライナの情勢に目を奪われている。シリアすら蚊帳の外に置かれている状況は非常に大きな過ちを犯している。シリアで起きてる大惨事は世界の秩序への脅威として認識されなければいけない。 続きを読む

15万人から22万人

http://www.theguardian.com/world/2014/apr/01/syria-civil-war-death-toll-150000

4年目に突入したシリアでの内戦による死者は15万人に到達しました。ただし、僕の読み間違えがなければ、多く見積もれば22万人に達しているのではという報告も見られます。国連が最後に死者数を打ち出したのが2013年7月。10万人を超えたところで正確な死者数を算出できないということで打ち切りになり、今回の数字はシリア人権監視団からの報告になります。国内・国外避難民は9百万を超え、単純計算で国民の100人に1人が命を落とし、2人に1人が難民と化しています。もちろんシリアには体制派、反体制派共に外国人勢力が多数紛れ込んでいるので、こうした計算方法を適していませんが。 続きを読む

44の大罪

130433人。シリア内戦での死者数です。三分の一が一般市民とされています。シリア人権監視団が年の瀬の火曜日に発表した数字ですが、正確な数字は誰にも分かりません。その他、負傷者や国内・国外避難民、シリアの革命が引き起こした惨禍は多大な犠牲を国民に強いています。詳しい内訳はロイターの記事を参照にしてください。

http://www.reuters.com/article/2013/12/31/us-syria-crisis-toll-idUSBRE9BU0FA20131231

さて、あけましておめでとうございます。新年早々、めちゃくちゃ愚痴りたいことがあるんですが、ブログとは何の関係もない事柄なので、やめておきます。今年の抱負は、去年達成できなかった抱負を引き継ぎます。「ドゥーマに行く」です。今ではアレッポにたどり着くことすら難しい状況になってるんだけど、あくまで抱負なんで。 続きを読む

拾い読み

ここ1週間ほどシリアに関する詳しい記事を見ていませんでした。ツイッターの呟きを眺めていたぐらいです。シリアの記事は豊富にありますが、ありすぎて何から手を付けて良いのか分からない。だから、しばらく放置して、その後で気になった記事だけ拾い読みしようかと思っています。その際、利用するサイトはロイターがいいかなと。綺麗にまとめられているので。 続きを読む

Pew Research Centerによるシリアを巡る世論の動き

昨日、新宿のネイキッドロフトでのトークイベントを観戦してきました。テーマは「シリア」。シリアに実際に足を運んだお三方(常岡浩介、安田純平、藤本敏文)をゲストに迎えてのトークショー。藤本さんとは面識がなかったけど、話したらメッチャ気さくなおっちゃんだった。観戦に来られた方々も写真家、記者、NGO関係と様々。僕が駆け出しの頃にお世話になった方もいて10年ぶりぐらいに再会したり、会いたくてもなかなか機会が訪れず会えなかった写真家や記者の方もいた。久しぶりに共通の話題に花を咲かせて、おいしいお酒が呑めた。ただ、4時間近く話をしても、シリアの明るい未来を描けなかった。

http://www.people-press.org/2013/09/03/public-opinion-runs-against-syrian-airstrikes/

アメリカ国内の世論の動向が気になるところです。アフガニスタン、イラクと軍事介入による失策にトラウマを抱えたアメリカ国民は今回のシリアへの介入をどう受け止めているのでしょうか。

8月29日から9月1日に行われたアンケート調査。成人男女1000人に聞きました。「あなたは軍事介入に賛成ですか?反対ですか?」。民主党支持者は賛成29%、反対48%。共和党支持者は賛成35%、反対40%。無党派層は賛成29%、反対50%。それでも今年の4月にアンケートしたときと比べて、支持が上がっている。これにはアサドの化学兵器の使用が影響されている。 続きを読む

難民について

下記のブログの補足を少しばかり。

http://edition.cnn.com/2013/08/17/world/meast/lebanon-pilot-kidnappings/index.html?eref=edition&utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter&utm_campaign=cnni

トルコ人の操縦士が誘拐された件で、Lebanon’s state-run National News Agencyは、レバノンの治安当局により3名の容疑者を拘束したと報じました。しかし、2名の操縦士の行方は現在も不明です。

http://vimeo.com/55690746

ヨルダンのザアタリ難民キャンプで暮らす子供たちの「Tiny Souls」です。子供たちの笑顔には癒されますが、無邪気だからこそ彼らが語る言葉の重みにはグッと胸を締め付けられます。僅か9分足らずのドキュメンタリーですが、必見です。英語字幕あります。でも・・・アラビア語勉強してるのに、子供たちが何を話しているのかまったく理解できなかった。言葉の重みを汲みとるには、アラビア語は必須なんだよなあ。頑張ろう。 続きを読む

シリア難民

戦争が起きれば、必ず難民が発生します。彼らは生まれ育った村や町、そして国まで捨てて安全な場所を追い求めて、彷徨します。車を所有している者は家財道具を詰め込み、移動手段を持たない者は、二本の手足を頼りに、着の身着のまま逃げ出します。国家そのものが崩壊し、全土が戦火に包まれているシリアでは、難民が大量に発生しています。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の統計によると、現時点で、登録されている難民の数は、1,078,656人。難民認定はされていないが、そうだと疑われる人々を合わせると、1,324,308人。シリアの人口が約2千2百万(21,906,000)。死者数が約10万人。行方不明者、数十万人。この統計を見るだけで、シリア内戦がいかに深刻な状況下に置かれているかが理解できます。国内避難民に関しては、調査自体も適切に行える環境でないために、難民の数はさらに増える可能性が十分に考えられます。

難民はシリアの隣国へと流れています。シリアと国境を接する国は5カ国。トルコ、レバノン、イスラエル、ヨルダン、イラク。レバノンが最も多く、続いてヨルダン、トルコ、イラクと続きます。ただし、最近ではヨルダンへの難民の数が急増しています。難民キャンプの設置にも多額の資金が必要となるため、受け入れ先によっても対応が異なります。シリアから逃れても劣悪な環境下で暮らしている難民が多くいます。男女の比率は半々。しかし、18歳以下の子供が半分を占めているとされ、その中でも多くが両親、もしくは父母どちらかと離れ離れで暮らしているという報告もあります。

資金面で彼らを支援している国のトップはやはりアメリカ($67,030,000)、次にEUが来て、3番目に位置するのが、日本です。$26,000,000、この数字は全体の支援金の18%に当たります。アフガニスタンに足を運んだ際、よく現地の人々に謝意を述べられました。日本は国連、NGOを通じて、資金面だけでなく、食料や衣料品 医薬品、生活必需品、インフラ整備などを紛争国に提供しています。普段、日本で暮らしていては気がつかないことですが、「日本人」というブランド力は世界を通じて非常に高いです。シリアでもその価値は変わりません。ただし、GDP(国内総生産)から割り出されるgenerous(寛大で気前のよい真意ある)寄付金という面では非常に低いですが、まあ、堅いことは抜きにして、シリアに日本も貢献していることは確かです。

アレッポに滞在していると、多くの人々が家財道具を軽トラの荷台に積み込み、町を離れていく光景を目にします。まるで日本で見かける引越しと同じ。でも彼らはどこに向かうのだろうか。

参考サイト

http://www.guardian.co.uk/news/datablog/2013/mar/06/syrian-refugee-crisis-in-numbers

http://data.unhcr.org/syrianrefugees/regional.php

http://www.savethechildren.org.uk/news-and-comment/news/2013-03/half-syrias-one-million-refugees-are-children